整形外科専門医は、骨、軟骨、関節、筋肉、靭帯、神経など運動器系の疾患やけがの診断・治療を専門とする医師です。脊椎や脊髄、上肢や下肢、骨盤など広範囲にわたり、骨折や変形性関節症、脊柱管狭窄症、靭帯損傷などに対応します。手術やリハビリを通じて機能回復や痛みの軽減を目指し、患者の生活の質向上にも注力します。また、スポーツ整形も含め、個々の生活や活動に応じた治療を提供します。
日本整形外科学会と整形外科専門医
日本整形外科学会の会員数は約2万6千人に上り、運動器疾患に対する診療の質向上と研究発展に重要な役割を果たしています。整形外科専門医は、骨や関節、筋肉、靭帯、神経など運動器系の疾患やけがの診断・治療を専門的に行っている医師になります。
専攻医として、最低4年の専門医研修を受け、日本整形外科学会が年1回実施する試験に合格した医師に与えられます。
都道府県別の専攻医プログラム採用人数(2024年度)
2024年度の整形外科専攻医プログラムの採用人数は、全国合計で739人となっています。このうち、医師の地域偏在を防ぐために、シーリング制度が適用されたエリアは8都道府県でした。
| 地域 | 採用数 | シーリング対象 |
|---|---|---|
| 北海道 | 23 | |
| 青森県 | 4 | |
| 岩手県 | 5 | |
| 宮城県 | 12 | |
| 秋田県 | 4 | |
| 山形県 | 5 | |
| 福島県 | 11 | |
| 茨城県 | 12 | |
| 栃木県 | 3 | |
| 群馬県 | 8 | |
| 埼玉県 | 32 | |
| 千葉県 | 49 |
| 地域 | 採用数 | シーリング対象 |
|---|---|---|
| 東京都 | 119 | 〇 |
| 神奈川県 | 52 | |
| 新潟県 | 11 | |
| 富山県 | 2 | |
| 石川県 | 8 | 〇 |
| 福井県 | 0 | |
| 山梨県 | 4 | |
| 長野県 | 9 | |
| 岐阜県 | 9 | |
| 静岡県 | 17 | |
| 愛知県 | 64 | |
| 三重県 | 3 |
| 地域 | 採用数 | シーリング対象 |
|---|---|---|
| 滋賀県 | 5 | |
| 京都府 | 18 | 〇 |
| 大阪府 | 43 | 〇 |
| 兵庫県 | 48 | |
| 奈良県 | 14 | |
| 和歌山県 | 1 | 〇 |
| 鳥取県 | 4 | |
| 島根県 | 0 | |
| 岡山県 | 15 | |
| 広島県 | 12 | |
| 山口県 | 5 | |
| 徳島県 | 6 |
| 地域 | 採用数 | シーリング対象 |
|---|---|---|
| 香川県 | 1 | |
| 愛媛県 | 3 | |
| 高知県 | 6 | |
| 福岡県 | 43 | 〇 |
| 佐賀県 | 4 | |
| 長崎県 | 4 | 〇 |
| 熊本県 | 8 | 〇 |
| 大分県 | 3 | |
| 宮崎県 | 6 | |
| 鹿児島県 | 9 | |
| 沖縄県 | 15 | |
| 合計 | 739 | 8 |
プログラム基幹型の病院数
- 233件
整形外科専門医|試験情報
| 整形外科専門医 | 整形外科専門医は、骨や軟骨、関節、筋肉、靭帯、神経などの運動器系(脊椎・脊髄・上肢・下肢・骨盤など広い部分が対象)の疾患やけがの診断・治療を専門とし、手術やリハビリ機能回復・痛みの軽減を目指す医師です。 |
| 試験日程/試験会場/出願期間 | 最新情報は学会ホームページをご確認ください。
【2025年試験情報】 試験日程:第37回:令和7(2025)年1月17日(金) 試験会場:各都道府県のCBT会場 出願期間:令和6(2024)年10月1日~11月30日 |
| 受験料 | 専門医申請についての会告は、日整会誌第4号に掲載(予定) |
| 合否発表 | 専門医申請についての会告は、日整会誌第4号に掲載(予定) |
| 合格率 | 93.4% |
| 直近の合格率 | 2022年:90.4% 2021年:92.3% 2020年:97.4% |
| 受験者数 | 2022年:586人 2021年:653人 2020年:1,048人 |
| 合格者数 | 2022年:530人 2021年:603人 2020年:1,021人 |
| 学会名 | 日本整形外科学会 |
| 学会URL | https://www.joa.or.jp/ |
| 学会員数 | 26,488人 |
| 学会認定専門医数 | 4,323人 |
| 機構認定専門医数 | 16,140人 |
| 更新制度 | ※詳しくは学会ホームページをご確認ください。 |
専門研修FAQ|整形外科専門医に聞きました
2021年度整形外科専門医取得 男性医師からのメッセージ
診療科に向いている人はどんな人だと思いますか?
整形外科は、コミュニケーションと手技を積極的に行える人が求められています。 対象患者は高齢者が多いですが、小児や若者も一定数います。患者数が内科の次に多く、手術能力が高いに越したことはありませんが、手術が苦手でも外来を回す力が必要です。1人でできることは少なく、上司や後輩、コメディカルの協力が不可欠であり、医療チームのリーダーとして期待されます。
診療科の働きやすさについて
内科や外科とは異なり、命のやり取りをすることは少なく、身体機能の改善による患者の満足度が一番高い科だと感じます。また、手術を沢山こなすことができれば、病院の経営的にも重宝されます。マイナー科目と比べて求人も沢山あり、医師として生き残りやすい科目だと思います。
重要視される知識やスキルを教えてください
まず、骨折をはじめとした外傷への対応力が求められます。骨、筋肉、腱、神経、血管を扱いますので、雑なことはできません。 経験を積んでいくと脊椎、手の外科、足の外科、関節、リウマチなどの専門科目といった、より深い分野に進むこともできます。高齢者だけでなく老若男女扱うため外来は混雑することが多く、限られた時間で患者を素早く診る能力も求められます。
専門医取得のための勉強方法・対策
使用した教材は?
「標準整形外科」「整形外科専門医試験Q&A」「病気がみえる」。
過去問を標準整形外科で調べて、問題と正解だけでなく、他の選択肢もしっかり吟味して周辺知識をつけました。病気がみえるは絵や図がイメージしやすく、わかりやすかったです。解説は切り離して問題に書き込むと効率がよいと考えます。それが王道な勉強法だと思います。
実際の症例登録やレポートの対策で工夫したことは?
専門医試験に合格した先輩のレポートをもらい、型を身につけました。 チェックする上級医が必要なため、腹が立っても堪えてなんとかOKをもらうことができました。書類提出の締め切りから逆算して着手したため、余裕を持って提出することができました。
専門医試験に向け、後進の医師へアドバイス
まず、学会誌などから専門医試験資格を得るための情報を収集することが必須です。 症例集めはその都度コツコツやっておいた方が、後から苦労せずにすみます。
専門医取得サポートと取得後の転職・キャリア相談
専門医資格取得後のキャリア選択:専門医資格を取得すると、キャリアの選択肢が大きく広がります。臨床の第一線で専門医として活躍するだけでなく、研究や教育の分野での活動、病院経営への参画も可能です。どの道を選ぶにせよ、自分の目標やライフステージに合ったキャリアプランを立てることが重要です。
専門医としての経験やスキルを最大限に活かすために転職を検討する医師も少なくありません。専門的な転職サポートやキャリア相談の利用が効果的です。
専門医資格を活かしたキャリアのご相談
転職支援サービスでは、専門医資格を持つ医師がご満足いただけるサポートを提供いたします。一般的な転職サービスとは異なり、医療業界のトレンドや病院のニーズ、さらには特定の専門領域に強い求人情報を提供するなど、医師のキャリアに深く根ざした支援を行います。
専門医資格取得後の転職やキャリアチェンジは、個人だけで進めるよりも専門的なサポートを活用することで自分の市場価値を把握しやすくなり、スムーズなキャリア移行が可能です。
主なサポート内容
- 求人情報の提供:専門医として活躍できる病院やクリニックの求人情報を提供。自分の専門分野に合ったポジションを見つけやすくなります。
- コンサルタントによる個別相談:希望やライフステージに合わせたアドバイスを行います。病院の選び方、職場環境の確認、勤務条件の交渉方法などもサポートします。
- 面接対策や履歴書の添削:転職活動に欠かせない履歴書や職務経歴書の作成を手伝い、面接の練習や対策も必要に応じて実施。自分の強みを効果的にアピールできるようサポートします。
- ライフイベントに対応した柔軟なキャリアプラン:出産や育児、介護といったライフイベントに柔軟に対応できるキャリアパスや勤務形態の提案も行います。
専門医取得サポート教材
動画学習サイト「ドクターズスタディ(ドクスタ)」では、専門医取得を目指す医師に最適なコンテンツを取り揃えています。効果的な教材で知識を深め、専門医試験合格を目指しましょう。あなたの学習をサポートするために、ぜひご利用ください。


















