形成外科専門医は、外傷や先天性異常、腫瘍などにより生じた身体の変形や欠損に対して、再建や修復手術を行う医師です。機能回復を図るだけでなく、見た目の改善にも配慮し、患者の生活の質を向上させることを目指します。さらに、皮膚移植や組織再建、やけど治療など幅広い手技を駆使し、美容的・機能的な両面からサポートします。
日本形成外科学会と形成外科専門医
日本形成外科学会の会員数は約5千人に上り、形成外科領域における知識と技術の向上を図る重要な役割を果たしています。形成外科専門医は、高度な再建や修復手術の技術を身につけ、患者の機能と外観の改善に貢献している医師になります。
専攻医として、4年の専門医研修を受け日本形成外科学会が年1回実施する試験に合格した医師に与えられます。
形成外科専攻医プログラム
形成外科専攻医プログラムには、毎年おおむね210人〜240人前後の医師が採用されています。身体表面の異常や欠損に対し、機能と形態の両面から再建を図る基本領域であり、再建外科や創傷治癒の技術向上に合わせ、専門医育成が行われています。
プログラムの基幹施設
- 基幹研修施設数:113施設
- 連携施設数:478施設
- 関連施設:141施設
シーリングについて
医師の地域偏在を是正するため、シーリング制度が設けられています。2027年度の形成外科専攻医プログラムは全4都道府県が対象となっています。
- 東京都
- 大阪府
- 岡山県
- 福岡県
都道府県別の専攻医プログラム採用状況(2026年度4月入職予定)
募集段階での全国集計は公表されていないため、年度末に日本専門医機構が公表する採用実績を参考として掲載しています。
| 地域 | 採用数 |
|---|---|
| 北海道 | 7 |
| 青森県 | 0 |
| 岩手県 | 0 |
| 宮城県 | 5 |
| 秋田県 | – |
| 山形県 | 1 |
| 福島県 | 2 |
| 茨城県 | 3 |
| 地域 | 採用数 |
|---|---|
| 栃木県 | 4 |
| 群馬県 | 2 |
| 埼玉県 | 6 |
| 千葉県 | 7 |
| 東京都 | 44 |
| 神奈川県 | 22 |
| 新潟県 | 0 |
| 富山県 | 0 |
| 地域 | 採用数 |
|---|---|
| 石川県 | 4 |
| 福井県 | 0 |
| 山梨県 | 0 |
| 長野県 | 3 |
| 岐阜県 | 2 |
| 静岡県 | 4 |
| 愛知県 | 12 |
| 三重県 | 2 |
| 地域 | 採用数 |
|---|---|
| 滋賀県 | 2 |
| 京都府 | 6 |
| 大阪府 | 16 |
| 兵庫県 | 11 |
| 奈良県 | 5 |
| 和歌山県 | 3 |
| 鳥取県 | 1 |
| 島根県 | 0 |
| 地域 | 採用数 |
|---|---|
| 岡山県 | 8 |
| 広島県 | 2 |
| 山口県 | 1 |
| 徳島県 | 2 |
| 香川県 | 1 |
| 愛媛県 | 0 |
| 高知県 | 0 |
| 福岡県 | 9 |
| 地域 | 採用数 |
|---|---|
| 佐賀県 | 0 |
| 長崎県 | 3 |
| 熊本県 | 3 |
| 大分県 | 3 |
| 宮崎県 | 1 |
| 鹿児島県 | 1 |
| 沖縄県 | 2 |
| 合計 | 210 |
※「-」は、都道府県に該当領域の研修プログラムが存在いたしません。
形成外科専門医|試験情報
| 形成外科専門医 | 形成外科専門医は、外傷や先天性の異常、病気による変形などに対する再建や修復手術を行い、機能回復や美容の改善を目指す医師です。 |
| 試験日程/試験会場/出願期間 | 最新情報は学会ホームページをご確認ください。
【2026年度試験情報】 書類提出期間:2026年9月18日(金)〜10月17日(土)の予定 試験日程: 《筆記試験》2027年1月中予定 《口頭試問》2027年1月中予定 試験会場:未定 |
| 受験料 | 審査料 50,000円(資格審査料 30,000円を含む) |
| 合否発表 | 学会ホームページをご確認ください。 |
| 合格率 | 92.4% |
| 直近の合格率 | 2024年:91.2% 2023年:93.4% 2022年:92.5% |
| 受験者数 | 2024年:186人 2023年:175人 2022年:162人 |
| 合格者数 | 2024年:166人 2023年:156人 2022年:148人 |
| 学会名 | 日本形成外科学会 |
| 学会URL | https://jsprs.or.jp/ |
| 学会員数 | 5,940人 |
| 学会認定専門医数 | 315人 |
| 機構認定専門医数 | 2,870人 |
| 更新制度 | ※詳しくは学会ホームページをご確認ください。 |
専門研修FAQ|形成外科専門医に聞きました
2023年度形成外科専門医取得 男性医師からのメッセージ
診療科に向いている人はどんな人だと思いますか?
形成外科は、健常な方のキズを綺麗に治す、あるいは美容外科のようにより美しくすることがメインと思われがちですが、高齢者の褥瘡や糖尿病患者、透析患者などの治りにくいキズを治すプロでもあります。キズに興味のある人は向いているかもしれません。
診療科の働きやすさについて
形成外科は、分野が非常に幅広いのが特徴で、働き方は人それぞれです。熱傷や感染症(足潰瘍やフルニエ壊疽など)をみる場合は昼夜問わず緊急対応を迫られることがあります。予定手術を主に行うスタイルであればそこまで多忙ではないと思います。ただし、他科再建(耳鼻科や口腔外科などが腫瘍を摘出したあとの組織再建)をメインに行う場合は10時間以上の手術が多く、しはしば深夜までかかります。一方、美容外科やレーザー治療を本業にする場合は日中の勤務がほとんどでしょう。
重要視される知識やスキルを教えてください
形成外科は頭から爪先まで扱いますし、皮膚皮下組織のみならず、筋肉や腱、骨、神経、血管を切ったり吻合したりします。肝動脈再建を消化器外科に依頼されたり、顔面神経再建を耳鼻咽喉科にお願いされることもあります。外科中の外科と言うべきで、他の外科系診療科に負けない卓越した技術が求められ、必ず結果をださなければならないプレッシャーがつきまといます。解剖学の知識が最重要ですが、血流やリンパ流を把握することも大切です。また、他科とコラボレーションする機会が多く、円滑なコミュニケーション能力は不可欠です。
専門医取得のための勉強方法・対策
使用した教材は?
「形成外科学会ホームページの問題集」。
おそらく形成外科の専門医試験は内科や皮膚科などと大きく異なります。専門医試験(筆記試験)は、1周すれば9割、2周すれば92~93%くらいとれるような簡単なものです。むしろ、10症例の書類が準備するのにたいへんで、ここで大きな差がつきます。日々の診療、臨床写真を大切にしましょう。
実際の症例登録やレポートの対策で工夫したことは?
4年間の専門医期間中に、10症例候補を随時ためていったのが良かったです。必要となる臨床写真や画像は、過去の先輩方にならって初めから把握しておくことをおすすめします。後になって、術「前」のCTを取ることは不可能ですから。筆記試験は簡単で差がつかないため、書類を入念に作るのが大切になります。
形成外科の専門医試験は、ほとんど不合格にならない簡単な試験の部類に入ると思います。ただ、何度も書いている通り、書類の不備で減点されたり、書類の段階で不合格となり受験資格がなくなる人がわずかにいます。毎年だされる試験の告示にきちんと目を通すことが大切です。
専門医試験に向け、後進の医師へアドバイス
10症例はたしかに重要ですが、どんな患者さんも貴重な経験を与えてくれるかけがえのない機会と捉え、きめ細かい診療を行うことが、とりもなおさず専門医試験の対策になると思います。試験官は教授クラスが多いですから、付け焼き刃の知識では口頭試問で見透かされます。毎日の診療を大切にしましょう。
医師のキャリア相談・専門研修サポート
医師としてのキャリアを左右する、働く環境と経験:日々の診療に向き合う中で、「今の環境で十分な経験を積めているのか」「この働き方を続けてよいのか」と悩みを抱える医師は少なくありません。
専門性を高めたい、症例を積みたい、ワークライフバランスを見直したいなど、キャリアに求めるものはライフステージや価値観によって変化します。
将来の選択肢を広げるためにも、早い段階から情報収集やキャリア相談を行うことが大切です。
医師キャリア・転職のご相談
医師専門のキャリア支援サービスでは、現在の働き方や将来のキャリアに関するご相談を承っています。一般的な転職サービスとは異なり、医療業界の動向や病院ごとの特徴、診療体制、求められる経験まで踏まえた、医師のキャリアに深く根ざした支援を行います。
お気軽にご相談ください
専門医取得サポート教材
動画学習サイト「ドクターズスタディ(ドクスタ)」では、専門医取得を目指す医師に最適なコンテンツを取り揃えています。効果的な教材で知識を深め、専門医試験合格を目指しましょう。あなたの学習をサポートするために、ぜひご利用ください。


















