「専門医資格を取得しても、給与が思うように上がらない」と感じている医師は少なくありません。その不満を解消する近道は、転職という選択肢を視野に入れることです。現職での給与交渉はハードルが高く、評価制度の壁などから思うような結果につながらないケースも少なくありません。
一方で、転職時に自分の市場価値をもとに交渉することで、現職の評価基準に縛られず、年収アップを実現できる可能性があります。
本記事では、給与交渉を成功させるための4つのポイントについて詳しく解説します。また、実際に年収アップを実現した医師の事例も紹介するので、現職の給与に不満を感じている医師はぜひ最後までお読みください。
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給与に不満のある医師が取れる2つの選択肢
厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、医師の平均年収は1,338万円です。加入保険によって異なりますが、手取りに換算すると約917万円になります。
多忙な勤務実態に対して「額面の数字ほど手元に残らない」「割に合わない」と感じる専門医も少なくないでしょう。
給与への不満を感じたときに取れる選択肢は大きく2つあります。
- 現職で給与交渉する
- 転職する
それぞれの選択肢について、以下で詳しく見ていきましょう。
なお、以下の記事では、医師の年収について詳しく解説しています。ぜひあわせてご覧ください。
医者の年収は割に合わない?データから見る実態と4つの対処法を解説
1. 現職で給与交渉する
現職で給与交渉をする場合、規模の小さな医療機関なら理事長や院長へ直接、一定規模の組織なら事務長などの事務方へ相談するのが一般的です。経験・スキルの向上や貢献度が高まったタイミングで、具体的な根拠とともに希望額を伝えましょう。
ただし、家庭の事情などは交渉材料にはならず、あくまで医療機関への貢献度をもとにした交渉が前提になります。
また、評価制度が整っていない職場では、どれだけ準備をしても給与アップにつながらないケースもあります。そもそも医師の世界では現職の給与交渉が語られる機会が少なく、転職時の交渉と比べてハードルが高いのが実情です。
2. 転職する
現職での給与交渉が難しい場合は、転職も有効な選択肢です。転職時は現職の評価基準に縛られず、自分の市場価値に基づいた給与交渉ができる点が特徴です。
求人票に記載されている条件はあくまで目安であることが多く、確認や交渉次第で柔軟に対応してもらえるケースも少なくありません。現職にとどまったまま改善を待つよりも、転職によって年収アップを実現できる可能性は十分にあります。
医師が転職を考えるきっかけは給与面だけでなく、働き方や職場環境などさまざまです。転職を検討する理由については、以下の記事でも詳しく解説しています。
医師が転職を考える理由10選!転職すべき人の特徴や伝え方のポイントも
医師が給与交渉を成功させるための4つのポイント
転職時の給与交渉を成功させるためには準備が重要です。ここでは押さえておきたい4つのポイントを紹介します。
- 自分が譲れないポイントを明確にする
- 自分の市場価値を把握する
- 希望条件と根拠をセットで伝える
- 給与交渉は転職エージェントに任せる
1〜3は自分で交渉する場合の準備、4はそれらをまとめて任せる選択肢です。一人でも進められますが、転職エージェントを利用すればより効率よく交渉を進められます。それぞれの項目について、詳しく見ていきましょう。
1. 自分が譲れないポイントを明確にする
転職先に希望条件を伝える際は、年収や勤務内容、勤務時間など、すべての希望を一度に伝えることは避けましょう。医療機関側に一方的な印象を与えてしまい、採用自体が難しくなることもあります。
事前にどうしても譲れない条件を絞っておくことで、求人選びや交渉の軸がぶれなくなります。希望を伝えるだけでなく、譲歩の姿勢や自分の入職がもたらすメリットをアピールすることも交渉をスムーズに進めるうえで重要です。
2. 自分の市場価値を把握する
給与交渉を進める前に、自分の市場価値を客観的に把握しておくことが重要です。まずは、経験年数や勤務条件、スキル、業務量など、医師の給与額に影響する要素を整理します。
そのうえで、同条件の医師の平均年収を調べ、希望額が妥当かどうかを確認しておきましょう。症例数の多さや特定のスキルの強みは、交渉時の重要なアピールポイントになるため、事前にまとめておくと安心です。医師の市場価値については、以下の記事でも詳しく解説しているのであわせて参考にしてください。
医師の市場価値を決める5つの要素とは?適正年収の把握方法と活かし方を解説
3. 希望条件と根拠をセットで伝える
希望額を伝える際は、なぜその金額が妥当なのかという根拠を示しましょう。「同診療科で10年の経験がある」「症例○○件以上の対応実績がある」など、客観的で具体的な根拠が必要です。これを意識することで医療機関側の納得感が高まり、希望額に応じてもらいやすくなります。
根拠を伝える際は感情的にならず、冷静かつ誠実な態度で臨むことも大切です。「給与を上げてほしい」という気持ちだけが前面に出てしまうと、一方的な要求と受け取られかねません。自分の入職が医療機関にとってもメリットになるという視点を意識しながら交渉に臨みましょう。
4. 給与交渉は転職エージェントに任せる
ここまで紹介した1〜3を自分だけで進めるのが難しいと感じる場合は、一連の交渉プロセスをまとめて転職エージェントに任せる方法があります。
転職エージェントは、市場価値の把握から希望条件の整理、医療機関への交渉まで、コンサルタントが一貫してサポートします。
給与交渉に苦手意識がある方や交渉経験がない方はもちろん、現職と並行して転職活動を進めたい方にも心強い存在です。エージェントが間に入ることで、忙しい専門医でも効率よく動けます。
転職するかは、相談してから決めればいい
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転職エージェントを利用して給与交渉するメリット
給与交渉をエージェントに任せることで、自分一人では難しい条件交渉もスムーズに進むケースが多くあります。ここでは、転職エージェントを利用するメリットを紹介します。
- 過去の交渉実績や相場データをもとに交渉してもらえる
- 医師専門の経験豊富なコンサルタントが在籍している
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
過去の交渉実績や相場データをもとに交渉してもらえる
転職エージェントには、医療機関ごとの採用実績や提示可能な年収レンジなど、膨大なデータが蓄積されています。これらをもとに着地点を予測できるため、根拠に基づいた交渉が可能です。
過去の事例を比較材料として示せるため、自分一人で臨むよりも医療機関側への説得力が高まります。市場価値を客観的に評価してもらえるため、過大・過小評価を避けた適正なラインで進められる点も強みです。
医師専門の経験豊富なコンサルタントが在籍している
医師専門の転職エージェントには、数多くの医師の転職・交渉をサポートしてきた経験豊富なコンサルタントが在籍しています。医療機関との交渉ノウハウも豊富で、自分では言い出しにくい条件面の要望もコンサルタント経由で伝えることが可能です。
さらに、一般には公開されない非公開求人を紹介してもらえることもあります。精神的な負担を抑えながら、自分一人では出合えなかった求人に巡り合える可能性が広がります。
給与交渉をするタイミングはいつ?
個人で応募する場合、交渉の機会は医療機関から労働条件が提示される段階(条件提示〜内定前後)に限られます。ただし、内定後の交渉は「結局はお金か」と受け取られてしまうリスクもあり、心象面での難しさがあります。
かといって一次面接など早い段階で条件面の話を切り出すと、マイナスな印象につながりやすいため避けるのが無難です。
一方で、転職エージェントを活用する場合は、面接前の仮オファー提示の段階からコンサルタントが医療機関と交渉を始めます。面接を経た本オファーで希望条件に最大限近づけられるよう動いてもらえるため、個人交渉のようなタイミングの難しさがなく、スムーズに進められる点が特徴です。
転職して年収アップを実現した医師の事例
ここでは、MEC Stationを通じて転職し、年収アップを実現した医師の事例を3つ紹介します。
- 40代神経内科専門医|当直なし・年収アップを実現
- 30代総合内科専門医|年功序列の壁を超えて年収アップ
- 40代総合内科専門医|年収アップ・専門性を発揮できる環境へ
給与だけでなく、働き方そのものが改善されたケースも多くあります。現職の待遇や働き方に不満を感じており、現状を変えたいと考えている方はぜひ参考にしてみてください。
40代神経内科専門医|当直なし・年収アップを実現
▼転職前
- 勤務:週4日常勤+週1日非常勤
- 当直・オンコール:あり
- 年収約1,600万円(当直手当・非常勤込み)
▼転職後
- 勤務:週5日常勤
- 当直・オンコール:なし
- 年収約2,000万円
この医師は、年収は1,600万円ありながらも、当直やオンコール、医局人事による異動が重なり、割に合わないと感じていました。70代を迎えた両親の介護が現実味をおびるなかで、働き方を変える必要性を感じ、転職を決意しました。
MEC Stationへの相談を通じて希望条件を整理し、自分では見つけられなかった求人に出合えました。エージェントが病院見学の日程調整や退局の進め方までサポートしてくれたことで、転職活動をスムーズに進めることができたといいます。
転職後は当直・オンコールなしの週5日勤務となり、年収は2,000万円にアップしています。給与だけでなく、働き方や生活環境まで理想に近づけることができた事例です。
▼事例の詳細はこちら
年収2,000万のUターン転職!40代神経内科専門医が1,600万から当直なしで収入を上げた成功例|MEC Station転職事例
30代総合内科専門医|年功序列の壁を超えて年収アップ
▼転職前
- 年収:1,400万円(当直手当・外勤込み)
- 勤務先:大学医局派遣病院
- 勤務形態:常勤
▼転職後
- 年収:1,800万円(当直手当込み)
- 勤務先:市中病院
- 勤務形態:常勤
この医師が抱えていた悩みは、総合内科専門医を取得しても待遇がほとんど変わらないことでした。公立病院の給与体系では、スキルを磨いても評価に反映されにくく、医局人事による転居も続く状況に限界を感じ、転職を決意しています。
MEC Stationへの相談で自分では思い至らなかった選択肢を提案してもらい、正当に評価してもらえる求人に出合えました。
転職後は年収が約1,400万円から約1,800万円にアップしています。仕事に追われる疲弊感も減り、家族との時間も増えたといいます。
▼事例の詳細はこちら
「地元か東京か」悩む私にエージェントが示した第3の選択肢・仙台。総合内科専門医として評価され、年収も上がった転職|MEC Station転職事例
40代総合内科専門医|年収アップ・専門性を発揮できる環境へ
▼転職前
- 当直:月4回(当直明けも勤務)
- 年収:1,400万円
- オンコール:週2回(待機番)※出勤月2〜3回
- 転勤:あり(医局人事)
▼転職後
- 当直:月4回(当直明けは午前中に帰宅)
- 年収:1,800万円
- オンコール:原則なし(当直医が対応)
- 転勤:なし
この医師が抱えていた悩みは、総合内科専門医としての専門性が発揮できず、人手不足の穴埋めとして扱われていたことでした。当直明けも休めず、時間外オンコールも頻発する激務に限界を感じ、転職を決意しています。
相談を通じて、いつ呼び出されるかわからない不確実性と専門性を発揮できない雑務の多さが不満であることに気づいたといいます。その気づきをもとに、自分が本当に求める働き方を言語化し、条件に合う求人をコンサルタントが探しました。
転職後はオンコールから解放され、年収も1,400万円から1,800万円にアップしています。一時は臨床をやめることも考えたほど追い詰められていた状況から、やりがいを取り戻せた事例です。
▼事例の詳細はこちら
「当直がきつい」40代総合内科専門医、50代以降も働き続けられる環境を求めて年収1800万円で転職|MEC Station転職事例
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医師の給与交渉に関するよくある質問
最後に、医師の給与交渉に関するよくある質問に回答します。必要な情報の集め方や給与交渉がうまくいく人の特徴について知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
給与交渉に必要な情報はどのように集めたらいい?
給与交渉に必要な情報は、公的データと求人情報を組み合わせて収集するのが効果的です。まずは厚生労働省の賃金構造基本統計調査を参照し、同じ診療科・経験年数の医師の給与水準を客観的に把握しましょう。
ただし、この統計は非常勤・アルバイト分を含まないため、実収入はこれより高くなる点に留意が必要です。
次に、求人票に記載の当直回数や勤務時間などの条件と給与額を見比べ、労働条件に対する報酬の妥当性を確認します。自分だけでは調べきれない相場感や医療機関の内情については、転職エージェントに相談するのも一つの方法です。
給与交渉がうまくいく人の特徴は?
給与交渉がうまくいくのは、自分の市場価値を正確に把握し、具体的に伝えられる人です。スキルや経験、実績を事例とともに示し、入職後にどう貢献できるかまで言語化できると、医療機関側の納得感が高まります。
また、自分の要求を一方的に伝えるだけでなく、医療機関側のニーズを理解しながら誠実な態度で交渉を進めることが成功のカギです。給与交渉はあくまで双方が納得できる着地点を探るプロセスであることを念頭に置いておきましょう。
給与交渉をすると内定取り消しになることはある?
給与交渉をしたこと自体が直接の理由で内定が取り消されることは、基本的にありません。ただし、希望額と提示額がどうしても折り合わない場合は、条件面で合意に至らず、結果的に不採用となることもあります。
また、強引な交渉や虚偽の年収申告など、交渉の進め方によっては医療機関側の印象を損なうリスクもあるため注意が必要です。どうしても入職したい医療機関であれば、強く要求しすぎず、入職後の昇給可能性なども確認しながら柔軟に判断するのがおすすめです。
交渉が不安な場合は、転職エージェントに代理交渉を任せることで、関係性を損なわずにスムーズに進められる場合もあります。
自分の市場価値を把握して、給与交渉を成功させよう!
本記事では、医師の給与交渉を成功させるためのポイントや転職エージェントを活用するメリットについて解説しました。
現職での給与交渉はハードルが高く、思うように改善されないケースも少なくありません。転職という選択肢を視野に入れることで、年収アップだけでなく働き方そのものを改善できる可能性があります。
給与交渉や転職に不安がある方は、MEC Stationへの相談がおすすめです。MEC Stationでは、希望条件の整理から医療機関との条件交渉まで、状況に合わせたオーダーメイドの転職支援を提供しています。
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