医師キャリア情報

医者の年収は割に合わない?データから見る実態と4つの対処法を解説

厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」によれば、医師の平均年収は1,338万円です。数字だけ見れば高水準ですが、長時間労働や税負担、複雑な人間関係、自己研鑽にかかる時間などを踏まえると、「医師の仕事は割に合わない」と感じる先生方がいても不思議ではありません。

本記事では、データをもとに、医師の年収が割に合わないと感じる5つの理由を解説します。また、4つの対処法も紹介しますので、現状を変えたいという医師はぜひ最後までご覧ください。

この記事を読めば、年次や診療科が異なる医師の先生方の現状の年収が、業界全体でどの位置にあるのかを客観的に把握でき、次の一手への判断材料が得られます。

参考:厚生労働省|令和6年賃金構造基本統計調査 結果の概況

 

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【データで見る】医者の年収の実態とは

日々の業務量や拘束時間を踏まえると、「医師の仕事は割に合わない」と感じる先生方もいるかもしれません。まずは、厚生労働省のデータから医師の平均年収を確認してみましょう。

「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、医師の平均年収は1,338万円です。ただし、アルバイトや副業は含まれておらず、副業などを含めた実際の年収は1,600万円程度といわれています。

また、額面と実際の手取りには大きな差があります。加入保険などによって異なりますが、年収1,300万円の手取りは約917万円、年収1,600万円でも約1,077万円です。これは、累進課税と社会保険料の負担が、可処分所得を圧縮しているためです。

性別で見ると、男性医師は約1,449万円、女性医師は約1,039万円で、約400万円の開きがあります。年代別の平均年収は下表のとおりで、40〜50代でピークを迎える構造となっていることがわかります。

年代 平均年収
20代 約689万円
30代 約1,062万円
40代 約1,552万円
50代 約1,865万円
60代 約1,840万円

さらに、勤務先の経営母体や地域によっても年収は大きく変動します。

参考: 厚生労働省|令和6年賃金構造基本統計調査 結果の概況

 

医者の年収が割に合わないと感じる5つの理由

高い年収を得ていても「割に合わない」と感じる医師は少なくありません。その理由は、単なる金額の問題ではなく、以下の5つの要因が絡み合っているためです。

  1. 労働量と見合っていない
  2. 税・社会保険料の負担が大きい
  3. 出世すると年収が下がることがある
  4. 医局・職場の人間関係が複雑である
  5. 学会・論文・専門医更新など無給での自己研鑽が多い

それぞれの要因を理解すれば、自分の「割に合わなさ」がどの要素から来ているのかを特定でき、優先的に解決すべき課題が明確になります。以下で順に解説します。

1. 労働量と見合っていない

まず、労働時間の長さに見合うだけの対価を感じにくいことが挙げられます。厚生労働省の調査によると、週60時間以上働く医師は約21%にのぼります。

出典: 厚生労働省|医師の勤務実態について(p3 週労働時間区分と割合<病院・常勤勤務医>)

たとえば、年収1,300万円で年間2,800時間働いた場合、時給換算すると約4,600円です。一見高く見えますが、専門性の高さや長時間勤務による心身の負担、医療訴訟のリスクなどを総合すると、「割に合わない」と感じる医師もいるでしょう。

ただ、2024年4月に「医師の働き方改革」により、時間外労働の上限が年960時間(特例でも年1,860時間)と定められました。医師の労働環境は是正方向に動いているといえます。

参考: 厚生労働省|医師の働き方改革

2. 税・社会保険料の負担が大きい

税と社会保険料の負担の重さも、割に合わないと感じる理由の一つです。前述のとおり、年収1,300万円の手取りは約917万円にとどまります。額面の3割近くが差し引かれる計算です。

そこからさらに、住宅ローンや子どもの教育費、学会参加費、自己研鑽費、専門医更新料などが差し引かれます。可処分所得は、イメージよりもかなり圧縮されるのが実態です。

日本の所得税は、所得が上がるほど税率が上がる「累進課税」です。そのため、年収アップが手取りの増加に比例しにくい点も一因となっています。

3. 出世すると年収が下がることがある

キャリア構造上の逆説も、医師の年収が割に合わないと感じる理由として挙げられます。

勤務医の多くはアルバイトで収入を補っていますが、役職に就くとアルバイトが禁止されるケースがあります。また、管理職になると委員会や後進指導、人事関連といった臨床外の業務が増え、物理的にアルバイトを組み込む余裕がなくなることもあるでしょう。

結果として、月に数十万円単位の副収入が消える一方、責任と業務量は増えるという逆転現象が起こるのです。

4. 医局・職場の人間関係が複雑である

医局や職場の人間関係に疲弊し、「割に合わない」と感じる医師は多く存在します。

人事や昇進は組織の意向で決まることが多く、本人の希望や実力よりも、派遣先の調整や教授の方針といった医局の都合が優先される場面も少なくありません。特に派閥構造が残る職場では、業務以外での気疲れも大きくなりがちです。

このような環境では、「いくら年収がよくても割に合わない」「多少年収が下がっても医局を離れたい」と考える医師もいるでしょう。

5. 学会・論文・専門医更新など無給での自己研鑽が多い

無給の自己研鑽の負担も、割に合わないと感じる理由です。厚生労働省の資料によると、自己研鑽について以下のように書かれています。

医師は、その職業倫理等に基づき、一人ひとりの患者について常に最善を尽くすため、新しい診断・治療法の追求やその活用といった研鑽を重ねている。こうした医師の研鑽は、医療水準の維持・向上のために欠かせないものである。

引用: 厚生労働省|医師の研鑽と労働時間に関する考え方について

また、独立行政法人 労働政策研究・研修機構の調査によると、学会や研究会などに「業務以外のものとして参加している」と回答した医師は43.6%でした。無給での自己研鑽は、時間的・金銭的に負担となる可能性があります。

参考: 独立行政法人 労働政策研究・研修機構|勤務医の就労実態と意識に関する調査

 

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「割に合わない」は診療科や勤務先によって大きく変わる

年収が「割に合わない」という感覚は、診療科や勤務先によって大きく変わります。同じ勤務医でも、選ぶ環境で年収水準が数百万円単位で変動するためです。

独立行政法人 労働政策研究・研修機構の調査によると、診療科別の年収の上位は以下のとおりです。

診療科 平均年収
脳神経外科 約1,480万円
産科・婦人科 約1,466万円
外科 約1,374万円
麻酔科 約1,335万円
整形外科 約1,290万円

参考: 独立行政法人 労働政策研究・研修機構|勤務医の就労実態と意識に関する調査

 

また、中央社会保険医療協議会の実態調査によると、勤務先別の平均年収は以下のとおりです。

勤務先(開設者) 平均年収
国立病院(国立病院機構、国立大学法人など) 約1,410万円
公立病院(都道府県立病院、市町村立病院など) 約1,456万円
公的病院(日本赤十字、済生会、厚生連など) 約1,452万円
社会保険関係法人(健康保険組合、共済組合など) 約1,282万円
医療法人(民間病院など) 約1,498万円
その他(公益法人、学校法人、医療生協など) 約1,463万円

参考: 中央社会保険医療協議会|第24回医療経済実態調査(医療機関等調査)報告 -令和5年実施-

診療科で最大約190万円、勤務先で最大約216万円の開きがあり、組み合わせ次第で年収差は400万円以上になります。つまり「割に合わない」と感じる背景には、努力や能力ではなく、選んだ環境そのものが影響している可能性が高いといえます。

 

割に合わない現状を変える4つの対処法

医師が自分の年収を「割に合わない」と感じたとき、現状を変える選択肢は大きく4つあります。

  1. 副業・アルバイトをする
  2. 条件のよい職場に転職する
  3. 専門性を高めてキャリアアップを目指す
  4. 開業する

いずれも一長一短があり、最適解はキャリア観やライフステージなどによって変わります。まず自分の優先順位を言語化してから、これらの選択肢を比較しましょう。

1. 副業・アルバイトをする

最も取り組みやすいのは、副業やアルバイトで収入を補う方法です。検診、予防接種、外来、当直、読影など、単発のスポット勤務でも比較的短期間で年収を底上げできます。ただし、必然的に労働時間が増えるため、心身の負担が重くなる可能性があります。

また、2024年4月から始まった「医師の働き方改革」により、アルバイトの時間も本業と通算して労働時間にカウントされる基準が適用されています。従来どおりの副業シフトが組みにくくなるケースもあるため、注意が必要です。

2. 条件のよい職場に転職する

条件のよい職場への転職も有効な対処法の一つです。例えば、大学病院から民間病院に移るだけで、年収が100〜300万円ほどアップしたというケースは珍しくありません。

医局に所属する働き方にも多くのメリットがありますが、人によっては人間関係や勤務条件に悩むこともあります。所属先や勤務環境を見直すことで、当直回数やオンコール体制を含め、自分に合った働き方を考えやすくなる場合があります。

一方で、転職は情報戦の側面が強く、公開求人だけでは好条件の案件に出会いにくいのが実情です。非公開求人を豊富に持つ医師専門の転職エージェントを活用することで、選択肢を大きく広げられます

おすすめの転職エージェントや求人サイトを知りたい方は、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひあわせてご覧ください。

内部リンク:医師 転職エージェント、医師 転職 おすすめ

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3. 専門性を高めてキャリアアップを目指す

現在の職場で実績を積み、専門性を武器にキャリアアップを目指す道もあります。特定領域で難しい症例を多く経験し、学会発表や論文執筆を積み重ねるなどして役職がつけば、年収アップにつながります。

この方法は、時間はかかるものの再現性が高く、医師としての専門性が資産となるのが強みです。「多くの患者さんを救いたい」という方には、最も納得感の高い選択肢となるでしょう。

4. 開業する

開業医として軌道に乗れば、勤務医時代の収入を大きく上回る可能性があります。中央社会保険医療協議会の調査によると、勤務医の平均年収が約1,461万円であるのに対し、開業医の平均年収は約2,631万円と約1.8倍の開きがあります。

ただし、開業医は人件費、家賃、医療機器リース料など多額の経費を自己負担する必要があります。年収から経費を差し引いたものが実質的な手取りとなるため、額面の大きさだけで判断はできません。加えて、患者が集まらなければ赤字となる経営リスクを負う必要があります。

参考: 中央社会保険医療協議会|第24回医療経済実態調査(医療機関等調査)報告 -令和5年実施-

 

医者の年収に関するよくある質問

ここでは、医師の年収に関するよくある質問にお答えします。

  • 年収はどのように決まる?
  • 最低年収はいくら?
  • アルバイトでどのくらい年収を増やせる?

自身の状況と照らし合わせて、次の判断にお役立てください。

年収はどのように決まる?

医師の年収は、年齢や経験年数、役職の有無に加えて、勤務先の経営母体、診療科、勤務地域といった要素で決まります。このほか、勤務時間の長さや当直回数、オンコール対応の頻度も収入に直結します。

同じ年齢・同じ専門医資格を持っていても、勤務条件次第で年収は数百万円単位で変動するのが特徴です。

最低年収はいくら?

医師の最低年収を示す明確な公的データはありません。目安は、初期研修医だと年収400万〜500万円台となることが多いのが実態です。ただし、勤務先や地域によって開きがあります。

地域や病院によっては、初期研修医に600万〜700万円程度の年収が提示されるケースもあります。一般的には、初期研修を終えると収入水準が一気に上がりやすくなります。

参考: 厚生労働省|臨床病院における研修医の処遇

アルバイトでどのくらい年収を増やせる?

検診や予防接種などのスポット勤務のアルバイトでは、時給換算で1万円程度になる案件が多く見られます。外来、健診、当直、読影など1コマ単位で報酬が設定されている案件を継続的に入れれば、年間で数百万円単位の年収アップも狙える_でしょう。

例えば、1回5〜10万円の当直を週1回ペースで1年間続けた場合、それだけで240〜480万円程度の上乗せになります。ただし、2024年4月以降は働き方改革による労働時間上限の通算適用があるため、シフト調整には注意が必要です。

 

医者の年収が割に合わないと感じたら環境や働き方を見直そう

医師の年収は額面では高水準ですが、見合わない労働量、税負担、無給の自己研鑽といった要因が重なり、「割に合わない」と感じる医師が少なくありません。

また、診療科・勤務先・勤務地域によって年収は数百万円単位で変動し、副業の可否や役職の有無によっても手取りは大きく変わります。つまり、「割に合わない」という感覚は、環境を変えることで十分に解消できる余地があるということです。

特に、医局の人間関係に疲弊している方や、「このまま続けて報われるのか」といった不安を抱えている方は、まず転職市場の情報を集めることをおすすめします。自身の市場価値を客観的に把握するだけでも、冷静に現状を判断する材料になります。

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