「合格率は9割以上らしいけど、今の勉強方法で大丈夫だろうか?」
内科専門医試験を前に、そう感じている先生は少なくないはずです。学会から公式発表のあるデータだけを使って、合格率と難易度を整理しました。
「どこを重点的に学ぶべき?」
内科専門医試験対策講座の講師、Dr.孝志郎が解説します。

ドクターズスタディの「内科専門医試験QUICKサマライズ」は、厳選50テーマの講義動画で構成されており、出題が想定される範囲に絞って進められます。
教材の詳細を見てみる
内科専門医試験の合格率は?|第1〜6回の推移
合格率の平均は92.73%
新専門医制度に移行してから、内科専門医試験はこれまでに6回実施されました。
直近の2026年度(第6回)は97.51%で、これまでで最も高い数値となっています。
| 実施回 |
受験者 |
不合格 |
合格率 |
| 第1回(2021年度) |
1,965 |
109 |
94.45% |
| 第2回(2022年度) |
2,495 |
249 |
90.02% |
| 第3回(2023年度) |
2,833 |
417 |
85.28% |
| 第4回(2024年度) |
2,997 |
193 |
93.56% |
| 第5回(2025年度) |
2,769 |
123 |
95.56% |
| 第6回(2026年度) |
2,857 |
71 |
97.51% |
| 6回の平均 |
2,653 |
194 |
92.73% |
出典:一般社団法人日本内科学会「資格認定試験 実施結果」 https://www.naika.or.jp/nintei/exam/shiken_kekka/ /不合格者数と平均値は掲載数値から算出(第1〜6回の受験者計15,916名、不合格計1,162名。6回の通算合格率は92.70%)
💡 このパートの要約合格率は9割前後で推移しています。ただし第3回は85%台まで下がった年もあり、幅のある数字として捉えておくとよさそうです。
ちなみに…
2027年度(第7回)の日程は未公表です。第5回(2025年5月25日)・第6回(2026年5月31日)はいずれも5月下旬の日曜で、第6回の出願期間は1月22日〜4月15日でした。最新情報は学会の公式ページでご確認ください。発表され次第、本記事に追記します。
受験料は2027年度から33,000円に改定されます。現行は30,000円です。
出典:一般社団法人日本内科学会「第56回教育施設連絡会議 報告資料」(2026年5月30日) https://www.naika.or.jp/nintei/56-renrakukaigi/video/
内科専門医試験の難易度は?|医師国家試験と比較
学会が発表している難易度
一般社団法人日本内科学会は、内科専門医試験の難易度をこう発表しています。
難易度:認定内科医試験 と 総合内科専門医試験 の中間のイメージ
引用元:一般社団法人日本内科学会「(NEW)内科専門医試験_試験問題・合否判定 について」
ただし、内科専門医試験を受ける先生は、まだ総合内科専門医試験は未経験のはずなので、医師国家試験と並べます。
| 項目 |
医師国家試験 |
内科専門医試験 |
| 問題数 |
400題(2日) |
250題(1日) |
| 1問あたり |
約123秒 |
約86秒 |
| 範囲 |
医学全般 |
内科10分野 |
| 合格率 |
91.6% |
97.51% |
| 合格基準点 |
公表あり |
公表なし(判定項目のみ公表) |
出典:厚生労働省「第120回医師国家試験の合格発表について」 https://www.mhlw.go.jp/general/sikaku/successlist/2026/siken01/about.html /一般社団法人日本内科学会。1問あたりは試験時間÷問題数で算出(医師国家試験は2日間で計820分=13時間40分、内科専門医試験は120分×3時限=360分)。合格率は医師国家試験が第120回、内科専門医試験が第6回の値
範囲は内科10分野に絞られる一方、1問あたりの平均時間は約86秒。250題のうち150題は症例を読んで判断する問題です。1問あたりの平均時間は医師国家試験より短いため、演習では時間配分も意識しておくとよいでしょう。
もっと詳しく|「総合内科専門医試験」との比較も知りたい
総合内科専門医試験と仕様を並べると、問題数の構成はこうなっています。
| 項目 |
内科専門医試験 |
総合内科専門医試験 |
| 問題数 |
250題 |
200題 |
| 一般問題 |
100題 |
50題 |
| 臨床問題 |
150題 |
150題 |
| 出題範囲 |
到達レベルのグレード「A」を中心に出題 |
到達レベルのグレード「A〜C」から出題 |
出典:一般社団法人日本内科学会「(NEW)内科専門医試験_試験問題・合否判定 について」/「(NEW)総合内科専門医試験_試験問題・合否判定 について」
違うのは一般問題の数です。症例を読んで判断する臨床問題は、どちらも150題で同じでした。
出題範囲にも違いがあります。表にある「グレード」とは、研修カリキュラムの到達レベルのことです。内科専門研修カリキュラムに記載があります。
公式の資料から読み取れる範囲で言えることは、内科専門医試験はグレードAが中心であり、総合内科専門医試験に比べて限られた範囲から出題されるということです。
出典:一般社団法人日本内科学会「内科専門研修カリキュラム(研修カリキュラム項目表)」/「専門研修プログラム整備基準【内科領域】」
受験者の多くは新制度(J-OSLER)の研修者
合格率を読むうえで押さえておきたいのが、受験者の顔ぶれです。第6回の受験申込者2,883名のうち、2,751名がJ-OSLERを利用した新制度研修者でした。
日本内科学会の公式HPのデータによれば、第6回の合格率は97.51%でしたが、この新制度で受験したグループに限れば、98.32%が合格していると発表されています。
この傾向は前年も同じです。第5回ではJ-OSLER利用者の合格率が97.1%となり、学会はこの結果について次のように述べています。
新制度下において、専攻医が十分な実力を備えて専門医資格を取得できる体制が全国的に定着している。
引用元:一般社団法人日本内科学会「第56回教育施設連絡会議 報告資料」(2026年5月30日)。第5回(2025年度)の結果に対する記載です。
ただし、毎年一定数の不合格者は出ており、合否は分野ごとの得点でも判定されます。
出典:一般社団法人日本内科学会「資格認定試験 実施結果」(第6回 受験者種類別 合格率一覧)
もっと詳しく|受験申込者2,883名の内訳を表で見る
学会は第6回の受験申込者について、受験資格別の内訳も公表しています。
| 区分 |
人数 |
構成比 |
| J-OSLERを利用している新制度研修者 |
2,751 |
95.4% |
| 認定内科医 取得済み(病歴要約免除) |
89 |
3.1% |
| 認定内科医試験で病歴要約のみ合格 |
27 |
0.9% |
| 認定内科医 資格喪失による受験(病歴要約免除) |
9 |
0.3% |
| 旧世代で、認定内科医資格なし(病歴要約29症例必要) |
6 |
0.2% |
| 海外の内科専門医資格保持者(特にABIM) |
1 |
0.03% |
出典:一般社団法人日本内科学会「資格認定試験 実施結果」/構成比は掲載人数から算出
また、新制度(J-OSLER)と旧制度のグループ別の結果も公表されています。
| 区分 |
受験者数 |
合格者数 |
合格率 |
| 新制度(J-OSLER) |
2,733 |
2,687 |
98.32% |
| 旧制度 |
124 |
99 |
79.84% |
| 合計 |
2,857 |
2,786 |
97.51% |
出典:一般社団法人日本内科学会「資格認定試験 実施結果」(第6回 受験者種類別 合格率一覧)
💡 このパートの要約受験者の大半はJ-OSLERを利用した新制度研修者で、合格率は9割を超えています。専攻医研修をしっかり積み重ねていれば、十分に合格を狙える試験といえます。
ただし毎年一定数の不合格者は出ており、分野ごとの得点でも判定されます。臨床業務と並行しながら、苦手分野を残さず効率よく仕上げていくことがポイントになりそうです。
内科専門医試験の合否判定|2つの注意点
① 総合点だけでは決まらない
合否判定の項目は「総合得点」と「分野ごとの得点」の2つです。得意分野で点数を積み上げても、どこかが極端に低ければ不利に働く可能性があります。
② 病歴要約の評価も合否に関わる
対象は、出願時に病歴要約29症例を提出するグループです。筆記が合格基準に達していても、F評価の場合は全体として不合格になります。
※プログラム(J-OSLER)で研修された先生は、研修中に評価済みのため該当しません。
出典:一般社団法人日本内科学会「(NEW)内科専門医試験_試験問題・合否判定 について」 https://www.naika.or.jp/nintei/exam/new_senmoni_shiken_gouhi/
もっと詳しく|合否判定の仕組みと、不正行為の罰則を見る
合否判定の項目は公表されていますが、具体的な合格基準点は公表されていません。学会は実施結果ページに受験者平均得点率を公表していますが、これは参考情報であり、合格基準点を示すものではありません。
出典:一般社団法人日本内科学会「資格認定試験 実施結果」
また、経歴詐称や症例の不正が認められた場合、次のいずれかが科されます。
- 当該年度の不合格
- 当該年度の不合格に加えて、1〜5年間の再受験不可
- 当該年度の不合格に加えて、受験資格の永久剥奪
試験当日に問題の持ち出し行為などがあった場合も、不合格とされます。病歴要約がF評価となった場合は、記名・押印した主たる発行責任者にも結果が通知されます。
出典:一般社団法人日本内科学会「(NEW)内科専門医試験_試験問題・合否判定 について」/『内科救急診療指針2026』は刊行が延期され、2026年10月中旬以降の予定とされています(第56回教育施設連絡会議 報告資料)
💡 このパートの要約10分野それぞれの得点も判定に含まれるため、苦手分野を残さないことが大切です。また、プログラム(J-OSLER)研修ではない先生は、病歴要約の評価も合否に関わります。
内科専門医試験の対策|出題範囲・出題方針と過去問の活用
出題範囲と出題内容
学会は、出題の「範囲」と「内容」を分けて公表しています。
| 項目 |
学会の記載 |
| 出題範囲 |
「内科専門研修カリキュラム(=出題基準)」に準拠するものとし、到達レベルのグレード「A」を中心に出題 |
| 出題内容 |
原則として「標準的内科学教科書」「日本内科学会雑誌」「内科救急診療指針2022」に掲載されている内容 |
出典:一般社団法人日本内科学会「(NEW)内科専門医試験_試験問題・合否判定 について」
どの範囲から出すかが「出題範囲」、どの資料に載っている内容を出すかが「出題内容」です。カリキュラムで範囲を定め、その中から3つの資料に沿って出題される、という構成になっています。
学会が公表している出題方針
分野ごとの出題数までは公表されていませんが、どこを重視するかという方針は示されています。学会は教育施設連絡会議の試験委員会報告で、次のように説明しています。
難易度は認定内科医試験と総合内科専門医試験との中間レベルとし、臨床実地問題を重視する。
総合内科分野の出題数を増加させ、特に研修カリキュラムの基本的診療技能と主要症候とを重視する。
引用元:一般社団法人日本内科学会「第55回教育施設連絡会議 試験委員会報告」(2025年5月24日)
あわせて、出題の狙いについても次の3点が挙げられています。
- 列挙された特徴的なキーワードから疾患名を想起させるのではなく、症候から優先順位を考慮しつつ鑑別診断を進めていく臨床医としての思考過程に沿った問題を出題する
- 内科救急疾患の初期治療に関する問題(特にJMECC)を重視して出題する
- 暗記力のみ問うような著しく細かい問題ではなく、内科専門医として知っておくべき問題を出題する
出典:一般社団法人日本内科学会「第55回教育施設連絡会議 試験委員会報告」(2025年5月24日) https://www.naika.or.jp/wp-content/uploads/2025/05/55renraku_1.pdf
傾向把握の手段:過去問について
傾向を把握するには、過去問題集が候補に上がります。ただし、開示されている年数には限りがあります。
注意点:公式の過去問は第1回・第2回のみ
学会刊行の「過去問第3集」に収載されているのは、2021・2022年度の188題です。第3〜6回は含まれていません。
出典:一般社団法人日本内科学会「過去問題集」 https://www.naika.or.jp/journal/shoseki/kakomon/
💡 このパートの要約公式の過去問は収録年数が限られていますが、学会は出題方針を公表しています。臨床実地問題・総合内科分野・内科救急が重視される点を踏まえつつ、ご自身の苦手分野や学習状況に応じて優先順位をつけていくとよさそうです。
学習の優先順位を整理したい先生へ
ドクターズスタディの「内科専門医試験QUICKサマライズ」は、公開過去問と学会の出題方針をもとに、Dr.孝志郎が制作した教材です。厳選50テーマの講義動画で必要な範囲を重点的に対策できます。

教材の詳細を見てみる
出典一覧
- 一般社団法人日本内科学会「資格認定試験 実施結果」 https://www.naika.or.jp/nintei/exam/shiken_kekka/
- 一般社団法人日本内科学会「(NEW)内科専門医試験_試験問題・合否判定 について」 https://www.naika.or.jp/nintei/exam/new_senmoni_shiken_gouhi/
- 一般社団法人日本内科学会「(NEW)総合内科専門医試験_試験問題・合否判定 について」 https://www.naika.or.jp/nintei/exam/new_sogonaika_senmoni_shiken_gouhi/
- 一般社団法人日本内科学会「内科専門医試験・認定内科医試験・総合内科専門医試験 過去問題集」 https://www.naika.or.jp/journal/shoseki/kakomon/
- 一般社団法人日本内科学会「内科専門研修カリキュラム(研修カリキュラム項目表)」/「専門研修プログラム整備基準【内科領域】」
- 一般社団法人日本内科学会「第55回教育施設連絡会議 試験委員会報告」(2025年5月24日) https://www.naika.or.jp/wp-content/uploads/2025/05/55renraku_1.pdf
- 一般社団法人日本内科学会「第56回教育施設連絡会議 報告資料」(2026年5月30日) https://www.naika.or.jp/nintei/56-renrakukaigi/video/
- 一般社団法人日本内科学会「2026年度 第6回 内科専門医 資格認定試験」 https://www.naika.or.jp/nintei/exam/new_senmoni_shiken/
- 厚生労働省「第120回医師国家試験の合格発表について」 https://www.mhlw.go.jp/general/sikaku/successlist/2026/siken01/about.html