
転職を考えた時期ときっかけを教えてください
40代半ばになり消化器外科医の勤務に体力的な不安が募る
「どこかでメスを置くタイミングを見極めなければ」
40代半ばを過ぎた頃から、体力の衰えを意識し、消化器外科専門医としての引き際を考えるようになりました。
学生時代は、手術を次々とこなす外科医に憧れ、その道を志しました。医学部卒業から転職までS大学医局に約20年所属していました。当時は、大学病院や関連病院を異動しながら、多様な環境で数多くの手術に携わりましたが、月4回の当直に加え、術後の担当患者さんがいれば土日の回診もduty。外科医としては当然のことと思いながらも、年齢を重ねるにつれ、「このままいつまで続けられるのか」という不安が徐々に強まっていったのです。
開業を断念して消化器内科医としての勤務を考える
私は内視鏡専門医を持っていたため、体力的な負担が少ない消化器・内視鏡関連のクリニック開業を検討したこともありました。しかし首都圏はすでにクリニックが飽和状態で、40代半ばでは、銀行融資も現実的ではなかったのです。
そこで、「医局を退局して消化器内科医としての勤務になれば、これまでの経験を活かしながら体力的な負担を減らせるのでは」と考えるようになりました。
というのも、私の勤め先では消化器センターを設け、消化器内科と消化器外科が一体となった診療をしていました。術前・術後のフォローなどを通じて、内科的な診療にも触れていました。その経験や内視鏡スキルを用いれば、内科でも貢献できるかもしれないと思ったのです。
メックステーションを選んだきっかけを教えてください
外科からの転身は想像以上に困難。自力で転職先を見つけられず登録
まずは自分で求人検索をしてみました。消化器内科で内視鏡中心の勤務ができる募集はいくつか見つかりましたが、 “消化器外科医可”や“消化器外科医歓迎“といった文言が求人票に記載されているわけではありません。そのため、自分の経歴が適しているか判断が難しく、応募には踏み切れなかったのです。
求人を探し続けていると、『メックステーション』にたどり着きました。キャリア相談で自分の経験・スキルで外科からの転身が現実的なのか聞いてみたくて、登録してみました。
メックステーションのキャリア相談を利用しましたか
丁寧なヒアリングで転職実現の可能性を一緒に探る
消化器外科から、内視鏡の経験・スキルを活かす形での内科への転身。『メックステーション』エージェントは、転職を実現するために、キャリア相談で一つひとつ丁寧に確認してくれました。
「内視鏡はどの領域がお得意でしょうか」
「一般内科はどの範囲まで対応できそうでしょうか」
「当直はどのくらい可能でしょうか」
こうした質問を通じて、私の志向や考えを細部まで理解しようとしてくれていることが伝わってきました。一緒に考えてくれる姿勢に安心感を覚えました。
40代外科医が注意すべき転職の要点を丁寧に説明
一通り経歴や条件、希望を話すと、エージェントはこう話してくれました。
「A先生は消化器外科で豊富なご経験を積まれています。しかし、外科医の転職は内科医と比べると求人数が少ないのも事実です。ご存じの通り、外科は医局派遣で体制を固められているところが多いですし、病院によって対応する症例も大きく異なります。そのため、40代半ばで外科医として転職する場合、どこで経験を積まれてきたか、どのような症例を中心に対応されてきたか等で、フィットする環境が思いのほか少ない、といったように感じられることも多いものです」
外科医としての現実を率直に伝えたうえで、「とはいえ、現環境で引退まで外科を続けるのは難しいとも私も感じます。このタイミングで内視鏡のスキル・経験を生かす形での内科医への転身を考えられたのは、ご賢明な判断だと思います」と言ってくれました。
求人を探す方向ではなく、私だけの“オーダーメードの求人”
印象的だったのは、エージェントの次の言葉でした。
「ネット上で公開されている求人の多くは、その診療科を専門とされていらっしゃる医師をターゲットにしているので、他科からの転身者受け入れが可能かどうかは表面的には出てこないのです」
そのうえで、「内視鏡の症例経験が豊富で、専門医資格まで持たれている方へのニーズは高いですから、積極的な募集がかかっていなくても、その時の状況と、こちらからご紹介する先生のご経験・専門性によってポジションを作れることもあります。消化器領域でのご経験と内視鏡専門医の資格を持つA先生だからこそ、ご紹介できる環境を探してみましょう」と、思いがけない提案を受けました。
「ただし、“オーダーメード”のような求人なので、調整に時間がかかることはご了承ください」とも補足されました。また、「大規模病院では診療科ごとに採用枠が明確に分かれており、柔軟な調整は難しいため、ご紹介は200床前後の規模の病院が中心になると思います」と、現実的な見通しも伝えてくれました。
外勤を続けられる環境へのこだわり
一つ、こだわりたい条件がありました。それは“現在の外勤先を継続すること”です。長年、内視鏡の外勤を続けており、私を頼ってくれる患者さんや地域の先生方がいます。この外勤は、私にとって仕事の軸の一つであり、「転職しても続けられること」が絶対条件でした。
その前提のもと、転職条件は「消化器内科中心の診療」「当直は月2回程度」「外勤を継続できる常勤体制」という3点に絞り込みました。
メックステーションの求人の質や量はいかがでしたか
3カ月で自分に合わせた求人が3件届く
キャリア相談から約1カ月ごとに1件のペースで求人が届き、3カ月後には3件の候補が出そろいました。どれも私の経歴や希望を前提に、エージェントが病院側と調整して整えた“オーダーメード”の求人でした。以下にそれぞれの特徴を紹介します。
候補①:一般内科の比重が高いA病院
1件目は消化器専門の常勤医の在籍がないところで、今後は消化器系疾患の患者さんを増やしていきたいようでした。紹介時点で 、内視鏡件数や消化器内科の患者数は限られている印象でした。勤務日数や給与条件は悪くなかったものの、内視鏡診療の割合を重視して見送りました。
候補②:外勤曜日の調整が難しいB病院
2件目は消化器内科として勤務しつつ、内視鏡も任せてもらえる環境でした。ただし、勤務体系上、曜日の固定が難しく、長年続けてきた外勤を継続できるかが不透明でした。
候補③:条件が合致するI病院
3件目に紹介されたI病院は、消化器内科所属で内視鏡を担当してほしいという内容でした。一般内科は消化器疾患に関連する診療が中心で、他領域は最小限。完全な専従ではないものの、私のキャリアに合わせて“内視鏡+消化器寄りの内科”という構成に調整してくれました。
3件すべて見学して、実際の業務体制や雰囲気を確認しながら比較検討を進めました。
応募から転職決定までのサポートはいかがでしたか
エージェント作成の確認リストで抜かりない病院見学を実現
『メックステーション』のエージェントは、見学や面接の日程を丁寧に調整してくれたため、日常診療に支障が出ることはありませんでした。事前に質問や確認項目をリスト化して渡してくれたおかげで、見学当日は内視鏡室の人員構成、検査件数、緊急内視鏡の体制、一般内科の診療範囲、関連病院との連携、当直の内容、電子カルテの運用状況まで、漏れなく確認することができました。
「外勤を続けたい」という意向を誤解なく採用担当者に伝えられた
エージェントは、事前に職務経歴書も丁寧にチェックしてくれました。大きな修正はありませんでしたが、消化器内科をはじめとする内科領域の診療経験や、内視鏡専門医としてのスキルをより明確に記載するようアドバイスを受けました。
また、私の「外勤を継続したい」という意向を採用担当者に誤解なく伝えられるよう、事前に共有してくれていたようです。そのおかげで、面接の場でも希望をスムーズに説明でき、先方にも理解してもらうことができました。
外勤継続と条件調整、納得の転職サポート
3件の見学を終えたのち、I病院への転職を決意しました。条件交渉では、外勤曜日の確保や当直回数の調整など、細かな点までエージェントが丁寧にすり合わせてくれました。
最終的に、I病院での常勤勤務は平日4日+土曜半日の週4.5日となり、外勤曜日の固定・継続も実現しました。年収は常勤1700万円に外勤300万円を加えた計2000万円を見込み、条件面は非常に明確に固まりました。
転職後の満足度はいかがでしょうか
内視鏡を主軸に、消化器内科として幅広く診療
現在はI病院の消化器内科に所属し、内視鏡検査を中心に診療しています。入職前の条件通り、完全な内視鏡専従ではなく、消化器疾患を中心とした一般内科の診療にも携わっています。入院患者のフォローや外来診療を行う中で、これまで消化器外科で培ってきた判断力を活かす場面も多くあります。
また、消化器外科で手が足りない際には第2助手として手術に入ることもあり、診療の幅を保ちながら働けています。内科と外科の両面で培った経験を活かせる現在の環境に、キャリアの面でも満足しています。
年収2000万円に大幅アップ。生活リズムも安定した
年収は2000万(当直手当と外勤年収300万込)と、転職前から大幅に上がりました。自宅を引っ越すことなく通勤できており、生活環境も変わっていません。それでいて当直回数は減り、執刀医としての負担もなくなったため、体力的にも余裕ができ、生活のリズムが整いました。I病院勤務は、自分のペースで長く続けられる環境だと感じています。消化器外科から内科への転身は大きな決断でしたが、『メックステーション』に相談したことで、満足のいく転職を実現できました。
担当コンサルタントの一言
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