
内科専攻医を考えた時期ときっかけを教えてください
人気病院Aの仮内定で安心して舞い上がってしまう
「いいですね、ぜひ来てください。採用の方向でお願いします」
病院Aを見学した際、採用担当者からそのような形で、口頭の仮内定をいただきました。しかし、それは単なる病院見学時の口約束で、正式な内定ではありません。口約束ではありますが、そのような言葉を初期研修2年目7月の病院見学でいただき、私は「病院Aで働こう」と心に決めます。研修先の事務や先輩医師に話しても「よかったね。病院Aは人気だし、これで進路は安心だね」と言ってくださり、専門研修探しの病院見学を終えてしまいました。今思うと、このときは舞い上がっていたように思います。
口約束が取り消されて頭が真っ白に
1次募集締め切り直前の11月半ば、病院Aから「やっぱり採用は難しい。すみません」と連絡が入り、状況は一変します。聞けば、病院Aに所属していた2年目の初期研修医が、「病院Aの内科専門研修プログラムに内部上がりします」と希望したそうです。それで病院Aの内科採用枠が埋まり、私ははじき出される形で仮内定を白紙にされたのです。
「先に仮内定をもらったのは私なのに……」
頭が真っ白になってしまいました。しかし冷静に考えると、私がもらったのは正式な採用通知ではありません。すっかり信じきってしまった自分の甘さに気づいたときには、もう一次募集の応募締め切りが迫っていました。
たった1度しか病院見学しなかったツケが一気に来た
実は、私は専門研修探しにおいて病院A以外は見学していませんでした。動き出し当初は、他の同期と同じように何件も病院見学を行う予定でした。しかし最初に行った病院Aから、口頭で仮内定をいただき、すっかり安心しきってしまいました。それで、専門研修探しをやめてしまったのです。
この病院Aは、東北地方では人気が高く、名門として知られています。初っ端の見学で、思いもよらない高評価と仮内定をいただいたことで、「これ以上見学しても、病院Aよりいいプログラムは見つからない」と自分で勝手に判断し、専門研修のプログラム探しを打ち切ってしまいました。
ちなみに、初期研修を受けた病院は、専門研修プログラムでサブスペ消化器内科に対応していません。私は消化器内科の専門医取得を考えていたので、専門研修プログラムを探す必要がありました。
メックステーションを選んだきっかけを教えてください
藁にもすがる思い……奔走の末にたどり着いた『メックステーション』
仮内定の取り消し直後、私は気持ちが落ち着かないなか、初期研修先の教育係、同期、先輩の医師に相談しました。それで、自治体の奨学金担当などの窓口に行ったり、求人紹介会社にも手当たり次第連絡したり、藁にもすがる思いで奔走していました。
その中で、教育係の医師から、「『メックステーション』に相談してみたらどうだろう。あそこは専門研修プログラムの紹介や転科支援を積極的にやっているから、力になってくれるかもしれないよ」と勧められたのです。
助言を受けたその日のうちに『メックステーション』に登録したところ、「今からでも2次募集には間に合うと思います」と、はっきりと前向きな返事をいただき、心底ほっとしました。
メックステーションのキャリア相談を利用しましたか
専門研修プログラムに特化したコンサルタントの言葉で冷静さを取り戻す
キャリア相談では、専門研修プログラムに特化したコンサルタントが担当になってくれました。聞けば、「手塩にかけて育てた初期研修医は、専門研修からやってくる専攻医よりも優先して採用される傾向にあります。それは病院Aに限ったことではなく、基本的にどの病院も同様です。見学時の歓迎の言葉は話半分に受け止め、真に受け過ぎないのが定石です。過去にも、同様のケースで仮内定の口約束を取り消されたケースがあって、その際には、コンプライアンスを強く疑問視された相談者もいらっしゃいました」といった説明がありました。その言葉で、「病院見学をしっかり取り組まなかった私も浅はかだった」と、気づけました。その言葉で気持ちを切り替え、冷静な気持ちで再出発に向かえました。
「まだご希望に沿う専門研修プログラムに空きがあります」2次募集に向けて動き出した
担当コンサルタントは、次のように説明してくれました。
「後悔が残るかもしれませんが、2次募集に照準を合わせて動き出しませんか。私の調べでは、まだご希望に沿う内科(消化器内科)専門研修プログラムに空きがあります。一緒にがんばってみませんか」
その言葉を聞いた私は、2次募集に向け、私の希望条件を一つ一つ伝えることにしました。
奨学金償還免除の条件を満たしつつ希望の消化器内科を学べる専門研修を希望
「私は、まず消化器内科の専門研修プログラムを第1に考えています。それに、県から奨学金を借りていて、償還免除の関係で、エリアは限られています。希望通りのプログラムがあるといいのですが」
そのように伝えると、担当コンサルタントは、「わかりました。では、エリア内で消化器内科の専門研修プログラムを探してみましょう。数日いただければ、定員に空きがあるプログラムをいくつかリストアップして、処遇と合わせてご提示できると思います。ご安心ください」と心強いお言葉をいただけました。
さらに、「もし可能なら、当直も月4回程度だとありがたいのですが」と追加の希望をお伝えしたところ、「はい、ではそれも含めて紹介できる病院をご提示します」と回答をもらえたことを覚えています。
「今は進路が最優先」コンサルタントの一言が背中を押してくれた
専門研修プログラムに希望が見え、キャリア相談中にもう一つの不安を相談してみました。
「実は、2次募集に向けて動き出したいのですが、11月いっぱいは外部病院で研修をしています。その関係で、有休をとりにくいのですが、見学や面接の数をこなせるか不安です」と正直に打ち明けました。
担当コンサルタントからは、「たしかに外部病院では、雰囲気的に休みにくいかもしれませんね。しかし現状、O先生のご状況としては進路が未定の状態です。外部病院の先生方に、丁寧に状況を伝えてみてください。状況が状況なので、きっとご協力いただけると思います」と助言をもらえました。それで、客観的な状況整理ができました。
ひとまずキャリア相談はこのような形で終え、2次募集を見据えて動くことを念頭に、連絡を待つことにしました。
メックステーションの求人の質や量はいかがでしたか
「私ひとりでは絶対にここまでできない」予想を上回る質と量
キャリア相談から数日後、担当コンサルタントから連絡が入りました。
「私ひとりでは、絶対にここまではできない。相談して本当によかった」
このとき、驚きとともに、心から感謝したことを覚えています。
その理由は、2次募集で病院見学が可能な消化器内科の専門研修プログラムを複数リストアップしてもらえたのですが、それが予想を上回る内容だったからです。
候補に挙がっていたプログラムは、奨学金の償還免除条件のエリア内にあって、さらに全件がサブスペ消化器内科に対応していました。加えて、コンサルタントの事前調査により、いずれも定員に空きがあることが明確になっていました。
エリアも視野を広げ、広域にわたって多数の専門研修プログラムを調べてくれていました。それに、各プログラムの採用状況はもちろん、教育体制、専攻医の在籍人数や直近の動きなど、かなり踏み込んだ情報を調査・整理の上、共有してくれました。
最終的には、医局の関係で応募しづらいプログラムや、明らかに就業条件が合わない施設を除外し、最終的には3件が候補として残りました。
「進路優先で動けた」外部病院で有休を取るためのアドバイス
候補に残った3件のプログラムですが、すべて見学の方向で決まりました。しかし11月中に3件分、病院見学となると、有休の取得が必要です。「有休をとるため調整させてください」と伝えたところ、担当コンサルタントが「キャリア相談でもお伝えしましたが、今は人生の分かれ目です。休むことに躊躇するお気持ちはわかりますが、ここで決めるためにもしっかり調整してみませんか。周囲もきっと理解してくれるはずです」と背中を押してくれました。
その言葉に勇気をもらい、外部研修中の病院に相談したところ、「それは大変だね、がんばって」と快く理解を示してくださり、気兼ねなく進路優先で動けました。
応募から内定までのサポートはいかがでしたか
限られた準備期間をコンサルタントと並走し、一緒に乗り越えた
担当コンサルタントのサポートで、印象的だったのは文面チェックです。
「O先生にお伝えしたいことがございます。病院側は専攻医が医師として、何を学び、どのように向上していきたいかを重視しています。“なぜ、当院のプログラムに興味を持ったのか”を必ず聞いてきます。履歴書、志望動機にそのことを丁寧に記し、面接でもしっかり答えられるよう、一緒に整理して考えましょう」
このように声をかけていただき、精神的に余裕のないなかで、とても安心できたことを覚えています。
当時は、キャリア相談から2週間足らずで3件分の病院見学が決まり、準備に充てられる時間がほとんどありませんでした。焦りのなか、担当コンサルタントには、履歴書と志望動機の文面チェックを徹底してくれて、本当に助かりました。
また、面接前には以下のような注意点を伝えてくれました。
「病院Aの一連の件や、奨学金償還免除の話については、慎重な対応をお勧めします。面接冒頭でいきなり話すことは避けたほうがいいでしょう。もしお伝えになる場合も、タイミングと伝え方には十分注意してください」
そのアドバイスを受けて、私は冷静に状況を捉えながら、適切な言葉で面接に臨むことができたと思います。
無事に病院Yから採用通知が届いた
11月中に3件の病院見学と面接を終え、無事、病院Yから採用通知が届きました。2次募集ではありました、無事進路が決まって心の底から安堵しました。
見学・面接を行った3件のうち、2件は和やかな雰囲気で進みましたが、1件では、「なぜうちに来たの?本当にうちのプログラムに入りたいの?」と、厳しい質問を受け、門前払いのような形で終わってしまいました。
このとき、あらためて「やはり病院見学は複数行くべきだ」と痛感しました。振り返ってみても、2次募集の準備期間は非常に短く、初期研修の合間を縫って動く必要があったため、作業量も精神的な負担も想像以上でした。面接日程の調整、応募書類の確認、面接対策にいたるまで、一人では到底、対応しきれなかった作業を、担当コンサルタントが支えてくれました。
もし『メックステーション』に登録していなかったら、ここまでスムーズに、そして納得のいく内科専門研修プログラム(消化器内科)には進めなかったことでしょう。
専門研修の満足度はいかがでしょうか
年収が上がって症例も幅広く、納得の環境にたどり着いた
もともと仮内定をもらっていた病院Aは専攻医3年目になると年収800万円という条件でした。一方、正式に採用された病院Yでは、同じく専攻医3年目で年収1000万円と、条件が大幅によくなりました。当直も希望通り月4回のペースで、無理のない働き方ができています。現在は専攻医2年目ですが、休日をしっかり確保してくれています。心身ともに余裕をもって専門研修に集中できています。
症例も幅広く、特に消化器内科に関しては、上級医からの丁寧な指導を受ける体制が整っていて、今後のサブスペ選択を見据えた学びとなっています。
また、人間関係にもストレスはなく、安心して日々働けています。「もし、あのとき病院Aから正式な内定をもらえていたら、今の環境には出合えていなかった」とさえ思うほど、納得のいく病院にめぐり合えたこと、本当にうれしく思います。
担当コンサルタントの一言
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