履歴書・職務経歴書は、医師のプロフィールを応募先に伝える重要な書類です。採用担当者が「この先生に会ってみたい」と思う、医師としての経験や能力、人柄が伝わる内容が望ましいと考えられます。
日々の診療業務と並行して転職活動を進めている医師にとって、履歴書・職務経歴書を作成するのは大きな負担です。本記事では、初めて転職を経験する先生や忙しい先生に向けて、応募先に好印象を与える履歴書・職務経歴書の作成術を解説します。
この記事を読めば、医局所属歴や研究実績など医師特有の記載ルールが確認でき、完成度の高い履歴書・職務経歴書が作成できます。ぜひ最後までお読みください。
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履歴書・職務経歴書はパソコンで効率的に作成するのがおすすめ
履歴書・職務経歴書は、パソコンで作成してもマイナスの印象にはなりません。必ずしも手書きである必要はなく、近年は誰もが読みやすいパソコンで作成した文書が好まれる傾向があります。
履歴書・職務経歴書をパソコンで作成するメリットは、基本情報をデータで保存すれば、簡単に編集できる点です。応募先に合わせて日付や志望動機を変更するだけで、文書作成の手間が大幅に削減できます。
パソコンで作成する際は、採用担当者が読みやすいように、フォントや文字の大きさを統一しましょう。フォントは、パソコンに標準搭載されている明朝体やゴシック体などを使用するのが一般的です。
医師の履歴書・職務経歴書作成前の準備
医師の履歴書・職務経歴書作成前の準備は、大きく3つあります。
- 経歴や志望動機を整理しておく
- 応募先の指定様式や提出方法を確認する
- 指定様式がない場合はテンプレートを活用する
履歴書・職務経歴書は、間違いのない状態での提出が必須です。準備をしっかりと理解して、より完成度の高い履歴書・職務経歴書の作成を目指しましょう。
経歴や志望動機を整理しておく
経歴や志望動機は、採用担当者が特に注目する項目です。職歴や経歴が多い場合は、履歴書・職務経歴書とは別の用紙に下書きをして整理します。
学校や勤務先はもちろん、資格や学会名も略さずに正式名称で記入するのが基本です。履歴書・職務経歴書を作成する前に、正式名称を確認しておきましょう。
志望動機や自己PRも下書きをして、事前に整理するのがおすすめです。これまでの医師としてのキャリアを振り返り、自身の強みや医療への考え方を文章にします。思いつくままに書き出したもののなかから、優先したい要素を意識して文章をまとめてもよいでしょう。
応募先の指定様式や提出方法を確認する
履歴書・職務経歴書は、応募先が指定した様式で作成します。応募先が独自の様式を作成している場合もあるため、必ず確認しましょう。
提出方法は、郵送やメール、持参など応募先によってさまざまです。メールで提出する場合は、履歴書・職務経歴書のデータをPDFに変換します。
指定様式がない場合はテンプレートを活用する
応募先の指定様式がない場合は、履歴書・職務経歴書の形式は自由です。自作しても構いませんが、項目を埋めるだけで完成するテンプレートの活用をおすすめします。
履歴書の代表的なテンプレートは厚生労働省のもので、項目は以下のとおりです。
- 氏名
- 生年月日
- 性別(任意記載)
- 現住所
- 連絡先(現住所以外に連絡を希望する場合)
- 電話番号
- 学歴・職歴
- 免許・資格
- 志望の動機、特技、好きな学科、アピールポイントなど
- 本人希望記入欄
厚生労働省が作成したテンプレートは、厚生労働省のWebサイトからダウンロードできます。
なお、医師専門の転職エージェントでは、医師の履歴書・職務経歴書の添削も行っています。履歴書・職務経歴書の作成に不安のある場合は、ぜひお気軽にご相談ください。
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【医師の履歴書】書き方の基本ルール8項目
履歴書の書き方には、基本のルールがあります。特に気をつけたい項目は、以下のとおりです。
- 日付
- 写真
- 住所・電話番号・メールアドレス
- 学歴
- 職歴
- 免許・資格
- 志望動機・自己PR
- 本人希望欄
久しぶりに履歴書を書く方も基本ルールを再確認し、採用担当者が読みやすい履歴書を作成しましょう。
1.日付
日付は、履歴書を書いた日ではなく、応募先に提出する日付を記載します。郵送なら郵送する日を、持参するのであれば訪問日を記載しましょう。
年号は、全体を通して西暦・和暦のどちらかに統一します。和暦で記載する場合は、「S」や「H」などのアルファベットで省略せず、「昭和」や「平成」などの正式な表記で記載します。
2.写真
医師は、誠実さや清潔感が求められる職業です。履歴書の写真を撮る際は、しっかりと身だしなみを整え、スーツやジャケットなどのフォーマルなものを着用しましょう。写真の質にこだわりたい方は、色調を調整してもらえる写真館などでの撮影がおすすめです。
写真は、3カ月以内に撮影したものを用います。写真の裏面に氏名を記入し、のりでしっかりと貼り付けます。
3.住所・電話番号・メールアドレス
住所は、都道府県名やマンション・アパートの名称、部屋番号を省略せずに記入します。電話番号は、日中に連絡がとりやすい番号を記入しましょう。電話に出られない場合を想定し、留守番電話機能を設定すると便利です。
メールアドレスは、GmailやYahoo!メール、Outlookなどのフリーアドレスでも問題ありません。在職者の場合は、現在の勤務先を連絡先として記入しないよう注意しましょう。
4.学歴
1行目の中央に「学歴」と書き、その次の行から、学校への入学および卒業(修了)の経歴を古い順に記載します。高等学校卒業から古い順に記載し、学校名は略さずに正式名称で記入しましょう。
高等学校は、私立か国公立の区分を明記します。学校名が変わっている場合は、卒業時点の旧名称の後に「(現・〇〇大学医学部医学科)」と記載して新名称を補足します。
5.職歴
学歴の一番最後の行から1行空け、次の行の中央に「職歴」と書きます。職歴の書き方は、過去から直近の順に記載するのが基本です。
医師としての経験を応募先に知ってもらうため、勤務先とともに以下を詳細に記載します。
- 所属部署
- 雇用形態
- 部署異動
- 昇格
例えば、医局人事による異動は、「〇〇市立△△病院 内科 医員(医局人事による異動)」と明記します。海外での経歴は国名を明記し、施設名はアルファベット表記とカタカナ表記を併記しましょう。
退職日が決まっている場合は、退職予定と記載します。職歴の最後は、右寄せで「以上」と記入します。
6.免許・資格
免許・資格欄には、医師国家試験の合格を記載します。その際、合格年と医籍登録番号も併記しましょう。履歴書に医籍登録番号を記載すると、採用担当者の作業がスムーズに進むため、配慮のある応募者としての信頼が得やすくなります。
専門医や認定医などの資格の有無は、入職後の年収や役職に影響します。専門医や認定医、指導医などを保有している場合は必ず記載しましょう。
7.志望動機・自己PR
志望動機は、なぜこの医療機関で働きたいのかを伝える重要な項目です。パソコンで履歴書を作成する場合も、志望動機と自己PRは応募先に合わせて書き直します。
まずは、応募先の理念や取り組みなどを調べ、求める人物像を把握しましょう。そのうえで、以下の3つの要素を盛り込み、簡潔に記載します。
- 応募先の医療機関で働きたい理由
- 自分の強みを生かして応募先にどのような貢献ができるか
- 入職後に挑戦したい分野
上記に加えて、資格や実績、症例経験など根拠を交えた内容で説得力を持たせると効果的です。文体は「です・ます調」に統一します。
8.本人希望欄
特に記載する事項がない場合も空欄にはせず、「貴院の規定に準じます」と記載するのが一般的です。
面接や入職後に申し出ると調整が難しいため、育児や介護などの事情で勤務条件が限られる場合は、理由を添えて条件を記載しましょう。年収や待遇の希望は、最終の条件面談で確認されるため、履歴書には記載しないほうが無難です。
また、本人希望欄を応募先から連絡をもらう際の通信欄として利用する方法もあります。「在職中のため、〇時〜△時は電話に出られない場合があります。留守番電話に用件を入れていただければ、折り返しご連絡差し上げます。」のように伝えると、丁寧な印象を与えます。
医師の履歴書に必要な職務経歴書とは
医師の転職活動では、履歴書に加えて職務経歴書の提出が求められるケースも少なくありません。履歴書と職務経歴書は、それぞれ役割が異なります。
履歴書は、学歴や職歴、資格などのプロフィールを採用担当者が把握して採用するかどうかの判断に使われる審査書類です。一方、職務経歴書は、医師としての実務能力を具体的に伝える役割を持ちます。
医師の職務経歴書では、自身の強みや実績を詳細に記載し、即戦力性を示す書き方が効果的です。まずは履歴書で興味を持ってもらい、職務経歴書で業務を任せられる人物だと確信してもらえる流れを意識しましょう。
そのため、履歴書と職務経歴書には、一貫性のある内容が求められます。所属や在籍期間の表記を揃えるのはもちろん、専門分野や強みとなるスキルの方向性を一致させることが大切です。
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【医師の履歴書】職務経歴書の書き方10項目
職務経歴書は、履歴書ほど書式や項目など定型化がされていないため、どう書けばよいのか悩む医師も少なくありません。主な職務経歴書の項目は、以下の10項目です。
- 標題
- 日付
- 氏名
- 職務要約
- 職務経歴
- 免許・資格
- 対応可能な手技・経験症例数など
- 学会活動
- 論文
- アピールポイント
職務経歴書は、A4縦サイズの白無地の紙1〜2枚程度、横書きでの作成が一般的です。冒頭部分の標題、氏名、日付および職務経歴は必須とされています。
1. 標題
まず、職務経歴書の最上部中央に「職務経歴書」と記載します。ほかの文章と差別化するために、文字を大きくしたり、太字にしたりして視認性を高めます。
2. 日付
日付は、冒頭部分に右詰めで記入するのが一般的です。履歴書と同様、応募先に提出する日付を記載します。持参する場合は面接日当日、郵送の場合は郵送する日、持参するのであれば訪問日です。
3. 氏名
氏名は、日付の下に右詰めで記載します。ただし、履歴書と一体型になっている職務経歴書の場合は、氏名の記載を省いても問題ありません。
4. 職務要約
職務要約は、職務経歴の要点を200字〜300字程度で記入する部分です。職歴や習得したスキルのなかで、応募先が求める人物像に合致した経歴や実績を中心に記載します。職務を要約するものなので、志望動機や自己PRではない点に注意が必要です。
職務要約は、職務経歴書のなかで採用担当者が最初に目にする部分です。採用担当者が応募者に「会ってみたい」と思えるように、これまでのキャリアを整理して伝えましょう。
5. 職務経歴
職務経歴には、時系列順に勤務した医療機関名や職務内容、在籍期間を記載します。役職に就いていた場合は、職位も併記しましょう。履歴書同様、海外での経歴は国名を明記し、施設名はアルファベット表記とカタカナ表記を併記します。
職務内容には、担当症例数や手術数、受け持ち患者数などの具体的な数字を示します。文字数が多くなってしまう場合は、全部を記載せず、面接時に口頭で補足するのも一つの方法です。
6. 免許・資格
医師免許と医籍登録番号に加え、専門医や認定医、指導医などの保有資格があれば記載します。専門医などの資格は、入職後の年収や役職に関わるため、取得年月順に正式名称で記載しましょう。履歴書の免許・資格欄で書ききれなかったものがある場合は、職務経歴書で補足します。
7. 対応可能な手技・経験症例数など
応募先の条件や求める人物像に合致する技術や実績を中心に、可能な手技や術式などを記載しましょう。その際、具体的な症例数を示すと、専門性や実績が採用担当者に伝わりやすくなります。
- (例)
- 〇〇症例の外来対応 約△△例/月
- 腹腔鏡下胆嚢摘出術 執刀医として年間30件以上
- 人工呼吸器管理
8. 学会活動
学会に所属した順に、箇条書きで記載します。学会名は、必ず正式名称で記入しましょう。理事や監事などの役職に就いている場合は、記載するとマネジメント能力の高さをアピールできます。
9. 論文
論文は、タイトルや掲載媒体、発表年を箇条書きで記載します。論文が多数ある場合は、直近で発表した内容か、評価の高いものを記載しましょう。
研究内容の文字量が多くなる場合は、別紙参照とします。別紙に記載する際にも、ポイントを押さえた簡潔な記載が望ましいです。
10. アピールポイント
アピールポイントとして、応募先が求める人物像に合う自身の強み、スキルなどを300字程度で記載します。医療への考え方や志望動機、入職後の目標などを記載すると、スキル以外のアピールも可能です。
また、若手医師や医学生への育成経験を記載し、指導力を強調する方法もあります。
【例文あり】パターン別・志望動機の書き方
医師の転職活動における志望動機は、環境を変えてどのように医療に貢献したいかを前向きな表現で伝えることが重要です。ここでは、転職の目的に合わせた志望動機の書き方を解説します。
- キャリアアップを目指す場合
- ワークライフバランスを重視する場合
- 転科や未経験の分野に挑戦する場合
パターン別の例文も紹介しますので、採用担当者に好印象を与える志望動機の書き方の参考にしてください。
キャリアアップを目指す場合
キャリアアップを目指す場合は、スキルや保有資格、症例数などを記載し、入職後に貢献できる能力をアピールします。さらに、自身の医療への考え方やキャリアビジョンを伝え、意欲の高さを示すと効果的です。
【例文】
現職では循環器内科の医師として年間200件以上の症例に関わってきましたが、今後は専門性の高い環境で技術を磨き、将来的には後進の指導に携わるなど貴院の発展に貢献したい所存です。
ワークライフバランスを重視する場合
ワークライフバランスを重視する場合は、長期的なキャリア形成や入職後のビジョンに焦点を当てた書き方をおすすめします。残業や休日出勤、当直回数を少なくしたいなどの直接的な表現は避けたほうが無難です。
【例文】
貴院の地域医療への貢献に深く共感し、志望いたします。これまで救急部門で蓄積した内科全般の経験を、今後は患者様一人ひとりと深く長く関わり、生活を長期的に支える医療に携わりたいと考えるようになりました。
転科や未経験の分野に挑戦する場合
転科や未経験の分野に挑戦する場合は、通常のキャリアチェンジ以上に自身の強みや意欲をアピールする必要があります。転科を決意した動機を明確に示し、これまでの経験やスキルを活かして応募先に貢献したいという熱意を伝えましょう。
転科を決意した動機は、なぜその分野に関心を持ったのかをエピソードを交えて説明します。また、新しい分野に挑戦する準備として取り組んでいることがあれば、記載しましょう。
【例文】
内科外来で頭痛や不眠を訴える患者様のなかには、対症療法だけでは根本的な解決にならない現実がありました。背景にある仕事や家庭の悩みに耳を傾け、患者様から「話を聞いてもらえただけで体が軽くなった」と言っていただけた経験が、医師としての原点を見つめ直す転機となりました。これまで内科全般の診療経験を積んできましたが、精神的なケアを大切にする治療がしたいという思いが強くなり、精神科への転科を志望しております。現在の勤務では、緊急対応や医師チームのリーダーシップを発揮してきました。この経験を生かし、精神症状の背景にある身体的な問題を鑑別する対応や治療プロセスに迅速に適応できると考えています。
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医師の履歴書の最終仕上げ
履歴書・職務経歴書の最終仕上げでは、以下の項目をチェックしましょう。
- 空欄がなく全項目を記入している
- 誤字脱字がない
- 写真を貼付している
- 学校名、勤務先名、資格名などを正式名称で記入している
- 入学・卒業年、入職・退職年、資格取得年に間違いがない
- 医師国家試験合格年、医籍登録番号に間違いがない
- 資格の有効期限や職務経験が最新の状態になっている
- 語尾を「です・ます調」で統一している
- データを保存した
- メールで提出する場合はPDF変換済みである
履歴書・職務経歴書は、できるだけ時間的に余裕を持って作成し、提出前にミスや記入漏れがないかを入念に確認します。また、面接では記載内容に基づいて質問されるケースが多いため、データを保存するかコピーしておくことをおすすめします。
チェックが終わったら、文章を読み返しましょう。文章の内容をチェックする際は、第三者の目で確認してもらうダブルチェックが有効です。
医師専門の転職支援サービス「MEC Station」では、先生の人柄や実績をよく知るコンサルタントが履歴書の書き方をアドバイスしています。医師国家試験対策のパイオニアとして、40年以上にわたり医学生や医師の歩みを支えてきたMEC Stationは、専門性の高い文章の添削も可能です。より完成度の高い履歴書の作成を希望する方は、ぜひご相談ください。
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履歴書・職務経歴書は、医師の経験や能力、人柄を伝えるファーストステップです。採用担当者に業務を任せられる人物だと判断してもらうために、基本的な書き方はもちろん、医師ならではの記載方法をマスターしましょう。
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