【 藤本 拓也(ふじもと たくや)医師 】
出身地:東京都
卒業大学:横浜市立大学医学部
2022年 国保旭中央病院 初期研修
2024年 多摩北部医療センター総合診療研修プログラム 専攻医
主治医として、主体的に患者と向き合い「考える力」を養う
総合診療を目指した理由は?多摩北部医療センターを選んだ理由は?
── 藤本先生の出身と経歴を簡単に教えてください
藤本医師: 出身は東京都です。横浜市立大学医学部を卒業し、初期研修は国保旭中央病院で受けました。現在は多摩北部医療センター「総合診療研修プログラム」の専攻医3年目です。
── いつから総合診療に興味を持ったのでしょうか
藤本医師:
医学部5年生か6年生のときに興味を持ちました。私は勉強会に積極的に参加するタイプだったのですが、総合診療科が主催していることが多く、そこから自然と興味を持つようになりました。
初期研修が始まってからも、一つの領域の専門性を極めるより、ジェネラリストとして何でもできるほうが私にとっては魅力的で志望が固まりました。
── 目標にしている医師像について教えてください
藤本医師: 相談しやすい医師になりたいと思っています。患者さんからは当然として、他科の医師、コメディカルさんからも、「気を使わずに何でも相談される医師」になりたいですね。
── 初期研修で国保旭中央病院を選んだ理由を教えてください
藤本医師: 医学生の頃から、総合診療に進みたい気持ちが強かったのですが、当時は関東圏で総合診療をしっかり学べる選択肢が今ほど多くありませんでした。それで、千葉県の国保旭中央病院が選択肢に挙がりました。
── 専門研修で多摩北部医療センターを選んだ理由を教えてください
藤本医師:
初期研修を受けた国保旭中央病院は、病床数も多い大規模な病院です。そこで、ハイパーな働き方を経験できました。
専門研修では、今後のキャリアを見据えて、違う環境も経験したいと考えていました。そこで、出身地である東京周辺で中規模病院を主とした総合診療の専門研修プログラムを探し、多摩北部医療センターに興味を持ちました。
── 他の専門研修プログラムは検討なされましたか
藤本医師: 多摩総合医療センターの総合診療の専門研修も検討しました。ただ、当院の近くに親族が住んでいて、その関係で昔からこの地域の雰囲気が好きでした。生活のイメージが持ちやすく、自然と当院に気持ちが傾いていきました。それに、当院の総合診療科がこれから盛り上がっていくタイミングだったことも大きく、自分も加わって力になれたらうれしいと思い、こちらに決めました。
── 専門研修プログラムを探す際に、情報収集はどのようになされましたか
藤本医師: :基本的には、インターネットを活用しました。専門研修プログラムを紹介しているサイトや専門医機構で、都内周辺のエリアを絞りこみ、専門研修プログラムを比較検討しました。
── 初期研修医のときに、多摩北部医療センターを見学して印象に残ったことはありましたか
藤本医師: 病院見学で多摩北部医療センターを訪れた際、総合診療科の部長や副部長の先生方とお会いし、人柄にとても惹かれました。 お二人とも温厚で安心感があります。そこは当科だけでなく、当院全体の大きな魅力だと思います。
総合診療研修プログラムの特徴は?手技は多い?
── 多摩北部医療センターの総合診療研修プログラムは、どのような内容でしょうか
藤本医師:
私は、基本的には多摩北部医療センターのホームページで紹介されているローテート例に近い形で研修してきました。
1年目後半には多摩総合医療センターで三次救急を経験しました。
内科系診療科に回った際、どこを回るかはある程度選べるので、消化器内科や血液内科、リウマチ膠原病科などを回らせてもらいました。
── 連携施設での研修はいかがでしたか
藤本医師:
東久留米市の石橋クリニックで研修しました。多摩北部医療センターの近隣なので、比較的行きやすかったですよ。
病院とクリニックでは診療がやはり違っていて学びが多かったと思います。石橋クリニックでは、小児の外来診療やワクチン接種のほか、必要があればどう紹介するのか、そういったことを実際に回ってみて初めて分かる部分がありました。
── 在宅医療や地域包括ケアとの関わりは多いでしょうか
藤本医師:
それも石橋クリニックで関わらせていただきました。一方で、基幹施設で働いている間に、自分が在宅医療の側に直接入る機会は多くありません。
ただ、当院でも退院時に在宅医療につないだり、多職種の方々と一緒に患者さんの生活背景を考えたりする機会は多いので、そういう学びは経験できています。
── 専攻医3年目以降、連携施設に行く予定はありますか
藤本医師:
3年目後半は多摩南部地域病院に行く予定です。
来年度からになりますが、先生方が尽力され、北海道から沖縄まで連携施設が全国各地に増えることになり、選択肢が増え幅が広がります。
── 基幹施設では外来、病棟管理、救急など、どのようなバランスで担当しています
藤本医師:
当院の総合診療科では、外来が週1回、救急も週1回で、病棟管理は継続して担当しています。私たち専攻医一人あたりの担当患者さんはだいたい4、5人から10人くらいでしょうか。
外来では、患者さんをたくさん診察するというより、一人ひとりに丁寧に時間をかけています。だいたい1日5、6人くらいを診ていて、そのうち初診が2人といった割合です。
── 病棟管理は主治医制でしょうか。それともチーム制でしょうか
藤本医師: 基本は主治医制です。自分で考えて患者さんを診る場面が多いのですが、困ったときには指導医の先生方に相談しやすい環境です。
── 救急の搬送数は多いでしょうか
藤本医師: 日によってばらつきはあります。多い日は午前中だけで、5件ほど運ばれます。今後、救急に力を入れていくと聞いているので、受け入れる数はもっと増えていくのではないでしょうか。
── 症例の特徴としては、どんな印象がありますか
藤本医師: 地域柄、ご高齢の患者さんが、多いと思います。それに加えて、困窮している方など、社会的背景まで含めて考えるケースも少なくありません。
── 経験できることの幅はいかがでしょうか
藤本医師:
自由度は高いと思います。内科系診療科の中でも、どこを回るかをある程度選べますし、自分がやりたいことを伝えれば、その希望に応じて経験を広げやすい環境だと思います。
自分から動きたい先生には特に合っていると思いますし、何か興味がある分野がある先生にとっては、かなり伸ばしやすい環境ですよ。
指導体制と職場の雰囲気は?
── 総合診療科はどのような体制でしょうか
藤本医師: 現在、総合診療科としての専攻医は私一人ですが、他の内科系専攻医も含めた全員が週一日、総合診療科外来を担当しています。それぞれバックアップに内科系の部長がついてくださり、安心して患者さんと向き合えます。また、初期研修医が常に二人、救急外来と総合診療科で研修をしており、彼らの指導と共に一緒に学んでいます。
── 実際に多摩北部医療センターに入職してみてはいかがですか
藤本医師:
総合診療科だけで何十人もいるような大きい組織ではないので、一人の患者さんについて多人数で長く議論する形ではないかもしれません。
その分、自分で患者さんのマネジメントを考える力は自然と鍛えられますし、困ったときには相談もしやすいです。自分で考えたうえで相談できる。そのバランスが、私には合っていると感じています。
── 「手技」の経験機会については、いかがでしょうか
藤本医師:
消化器内科のときには上部内視鏡を数多く経験させてもらいました。他にも血液内科では骨髄穿刺、リウマチ科では関節穿刺も指導してもらえました。腰椎穿刺やCV挿入なども、一人でできるようになっています。
無理やりではなく、あくまで専攻医の興味ややりたいことに合わせて、各科の先生方が「やってみる?」と声をかけてくださるのがありがたいですね。手技を経験できる機会は比較的多いと思います。
── 院内の雰囲気についてはいかがでしょうか
藤本医師:
指導医の先生方は優しい方々ばかりで、心地いい雰囲気です。当院の医師の男女比で言えば、男性のほうが割合として多いです。女性の先生はだいたい3割ほどです。
医師の出身地に関しては、東京出身の先生が多いですが、日本全国さまざまなところから先生方が来ているので、偏りはないと思います。
── 自己学習はどのようになさっていますか
藤本医師: 当院では、研究費で購入した資料や本も、自宅に持ち帰ってよいと言われています。私は自宅で勉強することが多いですね。
── 指導医の先生方との距離感や相談の機会はいかがでしょうか
藤本医師: 指導医との距離が近くて、困ったときに相談しやすいのは大きいと思います。一例一例について「自分ならどうするか」を考えたうえで相談できる環境だと感じています。
── 職場の雰囲気や、他科との連携についてはいかがですか
藤本医師:
当院は穏やかな雰囲気で、ピリピリしていません。他科の先生方にも相談しやすいです。近寄りがたい雰囲気を感じたことはありません。
不満や気になることも言いやすくて、言ったことで関係が悪くなるのでは、と感じたこともありません。そういう意味で、安心して働ける環境だと思っています。
── 指導医との信頼関係を象徴するような、印象的なエピソードはありますか
藤本医師:
以前、診療の判断で迷って、難しい状況になったことがありました。その時、指導医の先生が、「目の前の診療に集中していいよ」と声をかけてくださいました。考え込んでいた私を支えてくれたときは、ものすごくありがたく感じました。
失敗をただ追及するのではなく、きちんと支えて見守ってくれている環境です。
── 見学では、どこに注目するとよいでしょうか
藤本医師:
総合診療は枝分かれしているので、何を重視するか迷う先生も多いと思います。どの道に進むにしても、診断推論は共通して大事な要素だと思っています。
その点でいうと、指導医の先生方から現場で直接学べることは貴重な財産になると思います。診療の場で、初期研修医にも専攻医にも分け隔てなくアドバイスされている様子は、見学に来れば自然と伝わると思います。そこはぜひ見てほしいところです。
1日のスケジュールは?当直と夜間オンコール当番は月何回?
── 基幹施設での1日の流れを教えてください
藤本医師:
基幹施設で勤務する日の流れは、おおよそ次のイメージです。
●1日のスケジュール
8:00 出勤
8:15〜8:45 チームでラウンド
9:00〜12:00 病棟業務、検査
15:00〜16:00 カンファレンスや勉強会
17:00以降 退勤
── 当直はどのくらい入りますか
藤本医師:
月に3、4回くらいです。当院の当直には2種類あって、朝までの当直が月3回前後、21時まで残る当直が月1回程度です。
平日の泊まり当直のあとは、13時頃まで病院に残っていることが多いですね。そのあたりは院内でも議論されていて、今後はより負担が少ない形に見直していこうという話になっています。
── 当直体制やオンコールはいかがでしょうか
藤本医師:
総合診療科だけ特別な当番があるわけではなくて、内科の当直と同じ持ち回りに入る体制です。夜間は、基本的に専攻医一人か二人の体制です。私が1年目のときは、比較的早い段階から一人で当直に入っていました。
ただ、当直も少しずつ配慮されるようになってきている印象です。
時間外オンコールは、総合診療科では基本的にありません。
── 忙しさについてはどう感じていますか
藤本医師:
正直なところ、初期研修をしていた国保旭中央病院と比べると、だいぶ落ち着いて学べている感覚があります。
もちろん、ローテート先によっては忙しい科もあります。たとえば、当院では消化器内科や血液内科が強く、病床数も症例数も多いので、そのぶんそちらを回っているときはバタバタと大変さはありました。
多摩北部医療センター周辺は過ごしやすい?寮はある?
── 多摩北部医療センターなど外部の研修施設に回った最中は、引っ越しなされましたか
藤本医師: 多摩北部医療センターの寮を借りたまま、多摩総合医療センターでも寮を借りていました。いずれも家賃は月2万円程度で、駐車場代も約3000円と安価でした。金銭的な負担が低かったので、2拠点で研修できました。おかげで、体力的な負荷は少なくて済みました。
── アクセスや日常の過ごしやすさはどうですか
藤本医師:
現在の寮は徒歩5分程度です。ただ、当院は令和15年に現在寮のある場所に新病院開業予定のため数年以内に場所は変わるようです。寮から駅は、バスを待つより自転車で行ったほうが早いくらいの距離感です。
スーパーも近くにありますし、東京駅や新宿駅も寮から1時間ほどで行けるので、普段の生活は大きく困りません。
── 運転免許証は必要でしょうか
藤本医師: マイカーを所有していますが、公私で全く乗らずに済んでいます。都内中心に行くときも、車より電車で行く方が便利です。
── 休日はどのように過ごしていますか
藤本医師:
休日も仕事のことを考えていることは多いですね。リフレッシュするときは、大学時代の友人に会っています。
有給休暇は取りやすい雰囲気で、あまり申請していないと「藤本先生、有休まだ残っているから取ってよ」と声をかけてもらうほどです。
── 休日は何曜日が多いでしょうか
藤本医師: 週休2日ではありますが、土曜日や日曜日に当直が入ることもあって、休日はバラバラです。
ポートフォリオの状況は?専門研修後の進路は?
── 学会発表や専門医取得に向けたサポートはいかがですか
藤本医師: 症例要約や学会発表については、内科のプログラムで上の先生方がしっかりやってくださった流れがあるので、問題なくサポートしていただけると思います。総合診療の専門医取得に関しても、その点は心配していません。
── ポートフォリオの進捗についてはいかがでしょうか
藤本医師: ポートフォリオについては、総合診療専門医だけだとそこまでの量は求められていないので、正直なところ、今はまだ深く取り組んでいません。そのなかでの取り組みとしては、月に数回、東京総合診療推進プロジェクト(T-GAP)の勉強会に参加するなどして、情報を集めている段階です。
── 専門研修後の進路は、どのように考えていますか
藤本医師: まだ曖昧なところもありますが、当面は、当院に残って総合診療科で力になれたらと思っています。将来的には、サブスペシャルティの病院総合診療医として働きつつ、新・家庭医療専門医も検討していきたいと考えています。
多摩北部医療センターの魅力と長所
── あらためて、多摩北部医療センター総合診療科の魅力をどう感じていますか
藤本医師: 人数が少ないぶん、教えてもらうときには距離が近いですし、自分で考えながら学びやすいのが当院の魅力だと思います。大病院ではないからこその良さがありますね。
── このプログラムで、特に伸びる力は何でしょうか
藤本医師:
やはり「自分で考える力」だと思います。当院総合診療科は、医師が何十人もいる病院とは異なります。各先生方に相談はしやすいですが、一人の患者さんについてじっくりみんなで議論し合うことは難しい状況です。だからこそ、自分で考え、自立しつつ患者さんをマネジメントする力が養われたように実感しています。
ただ、完全に一人で抱え込むのではなく、必要なときはきちんと相談できる。そのバランスが、この病院の総合診療科らしさだと思います。
── 最後に、見学を考えている先生へメッセージをお願いします
藤本医師:
少人数だからこそ、マンツーマンに近い形で教わりやすくて、雰囲気もいいので、自分で考えながら成長していきたい先生には合っているプログラムだと思います。失敗しても、上司はフォローしてくれます。責められることもありません。不満や改善要望についても、気兼ねなく聞いてくれる風土です。実際、私も、どんどん要望を話しています。
総合診療に興味があるけれど、どんな研修になるのかまだ具体的に見えていない、という先生もいると思います。まずは見学に来て、実際の雰囲気を見てもらえれば、この病院の良さは伝わるのではないかと思います。
―― 藤本医師、ありがとうございました。
専攻医・シニアレジデント研修時の処遇
- 募集人員
- 定員 総合診療科5名、内科1名
- 勤務時間
- 8:45 ~ 17:30
- 当直
- 4回/月
当直(夜勤)は月に2~3回 - 給与
- 3年目:4,843,200円
想定年収 平均724.8万円(当直手当、救急医療業務手当、賞与など想定勤務分含む)
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